大学はひたすら勉学に打ち込む場に

 大学院の次は、大学である。大学については、ひたすら勉学に打ち込む場に変革していくことが望まれる。なぜなら、自分のアタマで考える、すなわち思考力を身につける格好の場が大学だからである。

 大学の改革についても需要サイドからの働きかけが有効であると考える。前にも述べたことがあるが、たとえば、日本経団連のような団体が、卒業証明書と成績証明書をセットで持参しなければ、採用面談は一切行わないと申し合わせれば、それで済むのではないか。加えて、採用に当たっては成績証明書を徹底して重視することや、就職説明会等への入場資格も卒業生に限る(在学生には一切企業の側からは接触しない)と言明すれば、学生は安心して勉学に打ち込めるようになると思われる。

 また、大学は勉学に励む(≒必要な単位を取得する)ことが主眼なので、何も一律の修業年限を定める必要はない。2年ないし4年と、一定の幅を設けておき、優秀な学生はどんどん卒業していけばいいと考える(大学院も同様であろう)。このような改革が行われれば、大学の方も成績証明書の信頼度を上げるべく、早急に採点基準を厳しくして落第させるようになり、好循環が始まるのではないか。

 なお、企業と学生の接触形態としては、学生のイニシアティブによるインターン制度が最も望ましいと思われる。