BABYMETALが欧米の聴衆を日本語の歌詞で魅了できる理由小中学生だった3人は18歳と19歳のオトナのアーティストに成長している。舞台度胸も観衆のコントロールもベテランの域である。左からYUIMETAL、SU-METAL、MOAMETAL Photo:Tsukasa Miyoshi (Showcase)

女性ボーカル・ダンス3人組と楽器隊の男性4人の“メタルダンスユニット”BABYMETAL(ベビーメタル)をご存じだろうか。今年はテレビにほとんど出ていないが、ライブの集客力はものすごい。欧米での人気もかなりのものだ。グローバルな音楽市場で活躍している唯一の日本人ポップス・グループといえよう。10代の少女たちはどのように世界を動かすパワーを身につけたのだろうか。ライブ会場で、踊り狂う観衆の真ん中でじっくり考えた。(ダイヤモンド社論説委員 坪井賢一)

ファンクラブ会員でさえ抽選漏れ
2年半ぶりに会ったBABYMETAL

 2010年にデビューした3人の少女グループBABYMETALは、2014年以来、欧米でライブを繰り返し、超大物ロックバンドのオープニングアクトを務め、日本ではアリーナで大きなライブを何度も催している。チケットは事実上のファンクラブ会員優先だが、会員でさえ抽選に外れるほどの人気を集めている。

 かくいう私も2014年にファンクラブに入会し、2015年1月のライブを見ることができた。しかし、それ以降はことごとく抽選に外れ、2年半以上、チケットを購入できなかったのだ。

 今年、日本ではBABYMETALの単独ライブは7月から10月までに13回あった。チケットの入手はほとんどあきらめていたのだが、なんと某大手金融機関幹部の友人が9月26日のさいたまスーパーアリーナ(SSA)のチケットを2枚購入できたそうで、「一緒に行こう」という。むろん、狂喜してさいたま新都心のSSAへ駆けつけたしだい。