ギリシャ国債のデフォルト(債務不履行)危機が深刻化している。ヨーロッパの小国にすぎないギリシャのGDPは2500億ユーロ(約27兆円)しかなく、日本(約500兆円)の5%強、神奈川県民所得(約32兆円)より少ないレベルだ。これはユーロ圏のGDP総額9兆ユーロ(約900兆円)の3%にも満たない。

 ギリシャ問題を複雑にしているのは、ギリシャの特殊性とユーロという共通通貨制度だ。

ギリシャはデフォルト常習国
歴史を見ると2年に一度は破綻

 まずギリシャの特殊性。ギリシャは破綻(債務不履行と債務条件変更)の常習国なのである。

 カーメン・ラインハート、ケネス・ロゴフ著「This time is different」(図1は同書からの引用。邦訳『国家は破綻する』日経BP社)によれば、1800年以降の200年余の歴史の中で、ギリシャの債務不履行と債務条件変更の年数は50%を超える。いうなれば、2年に1度は破綻している国なのである。

 ユーロ圏では、ギリシャ以外にもポルトガル、イタリア、スペイン(ギリシャとともに各国の頭文字をとって、PIGSと呼ばれている)も財政問題が指摘されている。ギリシャはこれまでの素行は圧倒的に悪い(図1参照)。

ギリシャはデフォルト(債務不履行)常習国<br />歴史と最適通貨圏理論で解く問題の本質