だから、車庫で整然と並ぶ車両に興奮したそうだ。こんなところはまるで日本人のようだが、北海道でも鉄道の旅を楽しんだ。各地を旅してみて初めて、日本には廃線になったり、廃線の危機に喘いでいる鉄道が多いことを知り、「少し寂しい気持ちになった」と心情も吐露している。

『北の国から』の大ファンで
「泥のついた1万円札」のエピソードも披露

 京都の舞鶴から船で北海道に渡り、ほぼ全土を回った。夫婦ともども日本のテレビドラマ『北の国から』の大ファンで、富良野では有名な花畑や観光スポットだけでなく、ドラマのロケ地巡りをしたり、キタキツネの写真もアップした。

北海道・富良野の花畑。ドラマのロケ地としても人気がある

 これらの富良野の美しい風景写真や動画を載せつつ、ドラマの中で俳優の吉岡秀隆が演じる主人公の黒板純が、田中邦衛演じる父親の黒板五郎からもらった泥のついた1万円札の説明も詳しく書いている。日本人ならかなり多くの人に通じる「感動的なドラマのエピソード」の一つだが、そのワンシーンに中国人も同じように熱い涙を流している。「日本通」ぶりも、ついにここまできているのか、と驚かされた。

 しかし、そんなマニアックな情報を語るかと思えば、東京・神保町の古書街を訪れたときには、中国とゆかりがある内山書店の看板を撮影し、内山書店と中国との歴史もSNSで発信していた(内山書店は日本人の内山完造が1917年に上海で開いた書店。日中文化人のサロン的存在だった。現在は中国関連書籍の専門店として神保町に店を構えている)。

神戸の孫文記念館「移情閣」を訪れる中国人も多い

 また、神戸では孫文記念館である「移情閣」に中国から旅行に来ていた家族とともに訪れ、孫文と日本人との交流に「中国人として感動した」とも綴っている。

 実はこの男性以外にも、日本旅行の際、中国と関わりが深い場所(例えば、魯迅が通った東北大学のキャンパスや、鑑真が建てた奈良の唐招提寺、横浜・長崎の中華街など)をわざわざ訪れる中国人は少なくない。団体ツアーで二度、三度と日本を訪れるうちに、中国との歴史的なつながりを探訪したり、歴史を研究してみたくなる中国人が多いようだ。