経営×ソーシャル
ソーシャルメディア進化論
【最終回】 2011年10月25日
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武田 隆 [クオン株式会社 代表取締役 兼 最高経営責任者]

【最終回】
ソーシャルメディアと希望ある未来

地域コミュニティが人と人とをつなぐ「ハブ」になる

 さらにいえば、人々が価値観でつながり合う関係のハブとなるのは企業だけではありません。たとえば、逆説的なことに、地域コミュニティ、地方公共団体もハブになると考えます。

 地理的移動が困難だった近代以前は、地域コミュニティは人々の価値観とは関係が薄い、従って、本質的には脆いつながりでした。

 しかし現在、人々がどこに住むかを積極的に選べるようになったことで、どの地域コミュニティに愛着を持つかは人々の価値観の反映になり、それを反映した地域のブランドアイデンティティが生まれてくるようになっています。

 今後、団塊の世代が引退して、都市圏から地方に移住したり、逆に都市圏に流入することを通じて、各地域のブランドアイデンティティが形づくられるようになり、そこにできたつながりを強化するための、オンライン地域コミュニティが地方公共団体をハブに立ち上がっていくと私は予想しています。

 実際、札幌市の観光PR、ソーシャルメディアを通じたブランディングを私たちはサポートしました。これは、ソーシャルメディアで行われた書き込みを地下歩道「札幌駅前通地下歩行空間」の大型ディスプレイにフィードバックするという施策でした。

 また、他にも、大学などの教育団体、NPO、政党、宗教団体もそうしたハブの中心としての役割を果たすようになり、それぞれのコミュニティが立ち上がっていくでしょう。実際、私たちは教育機関のクローズドコミュニティづくりをお手伝いしたことがあります。

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武田 隆(たけだ・たかし) [クオン株式会社 代表取締役 兼 最高経営責任者]

日本大学芸術学部在学中の1996年、前身となるエイベック研究所を創業。クライアント企業各社との数年に及ぶ共同実験を経て、ソーシャルメディアをマーケティングに活用する「消費者コミュニティ」の理論と手法を開発し、複数の特許を取得。その理論の中核には「心あたたまる関係と経済効果の融合」がある。システムの完成に合わせ、2000年同研究所を株式会社化。その後、自らの足で2000社の企業を回る。これまでに森永乳業、ライオン、資生堂ジャパンをはじめ、300社超のマーケティングを支援。ソーシャルメディア構築市場トップシェア(矢野経済研究所調べ)。2015年、ベルリンと大阪に支局を開設。著書『ソーシャルメディア進化論』は松岡正剛の日本最大級の書評サイト「千夜千冊」にも取り上げられ、ロングセラーに。また、CSR活動の一環としてJFN(FM)系列ラジオ番組「企業の遺伝子」のパーソナリティも務める。1974年生まれ。海浜幕張出身。


ソーシャルメディア進化論

花王、ベネッセ、カゴメ、レナウン、ユーキャンはじめ約300社の支援実績を誇るソーシャルメディア・マーケティングの第一人者、エイベック研究所の代表取締役 武田隆氏が、ダイナミックに進化し続けるソーシャルメディアの現在と未来に独自の視点から迫る!

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