大正製薬にとっては脅威だ。「リアップから『日本で唯一』の看板が取れる焦りは相当なものだろう。価格面など商品戦略の転換を迫られるのでは」と言う前出の業界関係者は、「主力の『リポビタンD』(栄養ドリンク)でも苦戦している最中なのに」と同情を寄せる。

 大正製薬は9月に入ってリアップの増量タイプの発売を発表するなど、マーケティングを強化した。並行して競合製品の情報を必死に収集しているもようだ。

痛恨のオウンゴール

 あとは攻めるだけのアンファーだったが、まさかの発売延期が決まった。

 10月2日に新商品の発表会を催し、4日に華々しくデビューするはずだった。ところが3日夜になって「厚生労働省から説明書の効果、効能を示す一部の図に対して指摘が入った」(アンファー関係者)。身構えていた大正製薬関係者はあきれ返っている。

 アンファーは「効果、効能自体に問題があるわけではない」と必死にアナウンスする。発売日について当初は「今秋中に」と説明していたが、11日時点でめどは立っていない。

 設立30周年とはいえ、長寿企業が名を連ねるOTC業界ではまだまだ新参者のアンファー。痛恨のオウンゴールを挽回できるか。発毛剤市場のルーキーが「新人王」を獲得する道は遠い。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 土本匡孝)