注目のイスラエル企業
私がいま注目している企業をいくつかお知らせする。
1社目は、アップストリーム・セキュリティ（Upstream Security）社である。インターネットにつながる以上、自動車はじめあらゆるものが随時、サイバー攻撃に晒される。映画『ワイルド・スピード ICE BREAK』（2017年）では、何十台もの自動車が一斉にハッキングを受け、制御を失う場面に衝撃を受けた方も多いだろう。
こうしたことは近い将来、自動車だけでなく、家電、センサーなどでも起こる可能性があるだろう。アップストリーム・セキュリティ社では、サイバー攻撃が各車のネットワークに到達する前にサイバー攻撃を阻止するクラウドベースのシールドを作成することで、サイバー攻撃を防ごうというコンセプトで製品を開発している。
以前（2015年11月）に紹介した、フェイクのネットワークを構築してハッカーからの攻撃の時間稼ぎを行うイルシブネットワーク（Illusive Network）社と同様に、全く新しいセキュリティリスクが登場しうる現代において、新しいコンセプトを打ち出そうとしている。
また、半導体関連では、アールエフアイシー（RFIsee）社がある。量子飛躍感知精度と信頼性を備えた3Dイメージレーダーセンサーを提供する。平たく言うと、革新的なレーダー技術を開発している会社である。
まさに、「ゼロ」から「イチ」を作る起業家らしい発想を実現した2社である。
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世界的不況の中でも経済成長を続けるイスラエル。世界的ＩＴ企業が買収したがるスタートアップ企業を輩出し、研究開発拠点や先進的な生産拠点が置かれるのはなぜか―ー建国の経緯、軍隊のあり方、産業政策などを取材と調査・分析により生き生きと描きだし、停滞する日本企業のイノベーションに多くの示唆を与える。
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