その一方で、マツダは電動化についてもトヨタとのEV共同開発を進めており、次世代技術導入プランでもこの内燃機関のXエンジン搭載車と並行して2019年にEVを市場投入する計画だ。

「グローバルで国や地域ごとの環境規制に応じ、多様なマルチソリューションで対応していくが、走る歓びを体現でき環境対応も同等な内燃機関の存在感を高めていきたい」(小飼雅道社長)と内燃機関の進化にこだわるマツダの道を強調する。

「ミスターエンジン」と呼ばれる
人見光夫常務執行役員

 マツダで「ミスターエンジン」と呼ばれるのが人見光夫常務執行役員だ。筆者は、試乗会前夜に人見氏とじっくり話をする機会を得た。また、当日の試乗直前には、この「次世代ガソリンエンジンSKYACTIV-X」について、直々に熱のこもったプレゼンを聞いた。

Photo:MAZDA

「ミスターエンジン」との異名をとるだけに、「内燃機関の進化」に並々ならぬ意欲と執念を感じさせる内容だった。

 それが「リーンバーン(希薄燃焼)→圧縮着火」、「圧縮着火実現のためのブレークスルー=SPCCI(スパークプラグによる点火を制御因子とした圧縮着火)」の採用に繋がる。

 極めて薄い混合気を圧縮着火させるため、この2.0リットルエンジンの圧縮比は16と高いものとなった(ちなみにSKYACTIV-Dの2.2リットルディーゼルエンジンの圧縮比は14である)。

 これにより、現行のGエンジンより燃費を20~30%改善し、トルクも全域で10%以上、最大で30%の向上を実現することができるという。

 人見氏は、2015年に「答えは必ずある――逆境をはね返したマツダの発想力」(ダイヤモンド社)という著書を上梓している。マツダ入社以来、エンジン開発・パワートレーン開発に心血を注いできた人物で、著書に書いてあるようにマツダが厳しい業績下で開発資金、開発人材も限られた中で高効率・低燃費のSKYACTIVエンジンを実現させたのだ。さらにこの基本原理を突き詰めて「内燃機関の理想形」と言われる「Xエンジン」に到達させたリーダーである。