たとえばAmazon Echoには「dot」「Tap」という小型の端末デバイスも発売されているが、どれも話しかける相手は「Alexa」というAIだ。

 Google Homeが接続するAIは「Google Assisatant」とややそっけないネーミングになっている。Clova WAVEは「Clova」がAIの名前だ。

AmazonとGoogleが争う音声入力の覇権

 AmazonやGoogle、そしてLINEがAIスピーカーに力を入れるには理由がある。

 Googleは検索エンジンによってネット上の人々の行動や市場動向を把握し、ビジネスにつなげている。Amazonも顧客の注文・閲覧履歴から商品戦略や販売戦略を立てている。近年、ネット上の行動起点は、ブックマークや検索エンジンからソーシャルネットワークに移っている。ブラウザからアプリへの移行も進んでいるため、ビジネスの種である人々のライフログデータがSNSに分散している現状にGoogleやAmazonは危機感を持っている。

 人間は、頭で考えたことを、発話するか手足を動かすことで相手に伝えるが、キー入力やタッチ操作といったこれまでの入力に加え、発話入力の精度が向上。結果、音声認識とAIによる、会話というユーザーインターフェイスの掌握が、新たなライフログデータの確保手段となる。

 今までGoogleやAmazonは、ネット上のサービスの入り口を押さえることで、膨大なユーザーデータを確保、データをもとに最適化を繰り返して競争を優位に進めてきた。今後は、音声入力という入り口を抑えることで、従来のように圧倒的なシェアを引き続き確保していく狙いだ。音声入力を抑えることは、これまでの「勝利の方程式」の延長上にあるというわけだ。

 Amazon Echoは当初、オンラインショッピングの注文を音声認識で対応する用途がメインとしていたが、現在は「スキル」というサードパーティアプリを開発させ、Uber(タクシー配車)を呼んだり、旅行サイトの予約をしたり、さまざまな製品を制御するなど、他社がサービスの入り口としてEchoとAlexaを使えるようにしている。

 Google Homeは、検索、スケジュール、写真管理、翻訳、地図などGoogleの基本的なサービスの音声操作を可能にするが、「Actions on Goolge」というAmazonのスキルのようなパートナーサービスと連携できるしくみも用意している。