プロ野球ドラフト会議が26日(木)の17時から行われる。
注目はなんといっても清宮幸太郎(早実)の交渉権を、どの球団が獲得するかだろう。
清宮の球歴は栄光に彩られている。13歳の時に出場したリトルリーグ世界選手権では日本代表(東京北砂)の投手で3番という中心選手の役割を果たし、5戦全勝の世界一に貢献。この時の打撃成績は打率6割6分7厘、3本塁打という凄さだった。現地メディアは「和製ベーブ・ルース」と表現、日本のメディアからは「怪物」と称された。ちなみにリトルリーグ時代の通算本塁打数は132本。
シニアリーグ時代(調布シニア)も全国優勝を経験。早実進学後はご存じの通り、高校通算本塁打111本という史上最多記録を打ち立てた。その清宮がいよいよドラフトの日を迎えるのだ。
評論家の中には「打撃はいいが、守備はレベルに達してない」と語る人もいるが、守備は練習次第で上達できる。その難点を差し引いても余りある魅力が迫力満点の打撃だ。スイングスピードの速さは高校生レベルでは群を抜き、しかもボールを遠くに飛ばす技術を持っている。高校通算最多本塁打を記録したように、本塁打を量産できる素材なのだ。
最近のプロ野球の本塁打王を見ると、パ・リーグはこの10年間で5回、中村剛也(西武)がタイトルを獲得しているものの、今年はデスパイネ(ソフトバンク)で昨年はレアード(日本ハム)だった。セ・リーグは昨年本塁打王になった筒香嘉智(DeNA)という長距離砲はいるが、この10年間では7回も外国人選手が本塁打王になっている。清宮がプロ入りし、順調に育って素質を開花させれば、それに対抗できる日本人選手になるわけだ。
また、清宮が高校で本塁打を量産している時、その一発見たさの観客でスタジアムは埋まった。人気の高さは観客動員にも当然つながるわけで、球団としてはぜひとも欲しい選手だ。
では何球団が清宮の1位指名に手を上げるだろうか。今のところ清宮を1位指名すると目されているのは、セ・リーグでは阪神、DeNA、ヤクルト。巨人と中日も参戦の可能性はある。パ・リーグでは日本ハム、ロッテ。ソフトバンクと楽天、西武も1位指名のリストにはあるようだ。