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グローバル競争を勝ち抜く組織人材戦略

イノベーションに必要な
経営者の人間力

大西 俊介
【第3回】 2017年11月10日
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自ら考え、自ら発信する力

 最初のポイントは、経営者が自ら考え、自ら発信し、自らがオーナーシップを持つということです。もちろん、そうでもない人は沢山いますが、日系企業の経営者にもこの傾向はまだ残っています。

 日本の大企業の事務方は概ね高学歴で丁寧な資料を作成することに長けています。おまけに社内外のステイクホルダーとは事前のコミュニケーション、事前ネゴまでやってくれます。まさに介護ケア状態です。経営者が自分の参謀としてコンサルタントを活用するケースもあります(自分たちはこれを「ハイクラス人材派遣型ビジネス」と呼んでいました)。

 この領域に長けたコンサルタントは、自分のバイヤーの求めるもの、喜怒哀楽に応じた付き合い方まで知り尽くしていますから、バイヤー側はそのうち彼らを手放せなくなります。

 優秀な経営企画部門に囲まれた経営者も同じでしょう。彼らは自らの会社、ビジネス、組織がどこに向かっていくべきか、考えなくなります。データを提供させるのは問題ないと思います。ただし、提言を求めるのはほどほどにしておいたほうがいいでしょう。まずは自分で方向性を作って、それを展開しなければ、腹落ちもしてないし、その事案に対する愛着もわきません。相対的には海外企業の経営者は、自分で考える癖がついている人が多いと思います。

 僕が以前勤めていた企業は3月決算で、1月から2月にかけてマネジメントレベルでの翌年度のビジネスプランについてディスカッションが行われました。初めての年に事務方から会議開催案内をもらいましたが、会議名は「マネジメントヒアリング」でした。この名前に甘えて、自分で考えることを放棄する経営者もいると思います。すぐに変えてもらったのは言うまでもありません。

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大西 俊介
[インフォシスリミテッド 日本代表]

おおにし・しゅんすけ/1986年、一橋大学経済学部卒業後、同年日本電信電話株式会社に入社、株式会社NTTデータ、外資系コンサルティング会社等を経て、2013年6月より、株式会社NTTデータ グローバルソリューションズの代表取締役に就任。通信・ITサービス、製造業界を中心に、海外ビジネス再編、クロスボーダーな経営統合、経営レベルのグローバルプログラムの解決等、グローバル企業や日本企業の経営戦略や多文化・多言語の環境下での経営課題解決について、数多くのコンサルティング・プロジェクトを手掛ける。NTTデータグループの日本におけるSAP事業のコアカンパニーの代表として、事業拡大に貢献した。SAP2017年1月1日、インフォシスリミテッド日本代表に就任。著書に「グローバル競争を勝ち抜くプラットフォーム戦略」(幻冬舎)等がある。

グローバル競争を勝ち抜く組織人材戦略

グローバル化とその揺り戻しともいえる保護主義が錯綜する世界のビジネス環境。そこで生き残る企業の条件を、外資系IT企業日本代表の立場で論考する。

「グローバル競争を勝ち抜く組織人材戦略」

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