社会人の「学び直し」需要も
予想外となる顧客層の拡大

 リクルートは、2017年3月から高校1年生から高卒生を含む大学受験生までを対象とした「スタディサプリ合格特訓プラン」を開始した。これは月額9800円と通常のスタディサプリより一桁高いが、既存のスタディサプリに加え、生徒一人ひとりに担任コーチを付けて、志望校合格に向けて、何を、いつ、どれだけやればよいかという道順を示す。受験勉強に伴走しながらコーチングすることで、さまざまな問題を乗り越える支援をする。放っておいても1人で勉強できる層ではなく、1人では学習習慣を付けられない学生をターゲットにしている。

 コーチには、難関大学に合格した現役の大学生を、指導力を重視した厳しい面接で選抜した。質問の内容は教科から生活まで幅広いが、実際に多いのは生活関係である。特に地方の受験生にとっては、周りに現役の大学生がおらず、相談する相手がいない。そうした生徒に伴走者を付けてあげる価値は小さくない。

 また別サービスとして、中学生から社会人までを対象とした「スタディサプリENGLISH」を、月額980円で2015年から開始している。話す力、聴く力を伸ばす動画プログラムで、2017年8月には、そのアドバンスコースとして、TOEIC対策に絞った月額2980円のコースも加わった。

 こうした製品ライン拡張の背景には、多様な顧客層がある。スタディサプリを始めてみると、受験生ではない予想外の顧客が利用している事実が明らかになった。社会人の利用である。社会人に一番人気があったのが英語(特に英文法)、そして日本史、世界史であった。内容は受験生向けにもかかわらず、社会人の「学び直し」のニーズが、スタディサプリとマッチしたのである。さらには、子どもに勉強を教えるために親が学習したり、大学院等の受験に備えるために利用する社会人も出てきた。

 ネットの世界は、時間的・空間的制約もなく、かつユーザーの制約もない。スタディサプリの展開は、リクルートの今後の事業展開に重要なヒントを与えてくれるであろう。