20代がピーク
朝食の「欠食」が増加中
平成28年の国民健康栄養調査(厚生労働省)によると、朝食の欠食は20歳代で最も高く、男性37.4%、女性23.1%でした。また、30代、40代の男女ともに昨年よりも増加しています。ここでの「欠食」とは、食事をしなかった場合、錠剤などによる栄養素の補給や栄養ドリンクのみの場合、菓子・果物・乳製品・嗜好飲料などの食品のみを食べた場合の3つを示しています。
前日の夕食が遅かったために朝は食欲が湧かない、少しでも長く寝ていたい、など朝食を欠食する理由は簡単に挙げられます。また、朝食の量は昼食や夕食に比べて少ないイメージがあるので、省略して昼食や夕食を沢山食べれば大丈夫、などと考える人もいるでしょう。
しかし、朝の時間に食事を摂ることは体のリズムを整える上で欠かせないことです。今回は「朝食」をテーマにその効果や朝食を食べる習慣の作り方をご説明します。
まずは朝食を食べることによる4つのメリットをご紹介しましょう。1つ目は、体内時計をリセットするということです。
私たちの体の中には、1日のリズムや季節の変化などに対応するための「体内時計」が備わっています。人間の体内時計は朝食を食べたり、朝日を浴びることで24時間に調整されることが分かっています。
つまり朝食を食べることで体内時計がリセットされて1日を活動的に過ごすことができ、それが質のよい睡眠につながります。そしてまた翌朝スッキリ目覚めることができるというわけです。
2つ目は体温上昇に関わることです。
人間の体温は活動時間である昼間に高くなり、休息時間である夜に低くなるのが通常です。しかし、朝食を抜いてしまうと必要なエネルギーが補給できず、体温が上昇しにくくなってしまいます。体温が上がらなければ、代謝も低下し痩せにくい体にもつながってしまいます。
朝食を抜くと1日の摂取エネルギーが減り痩せると思っている人も少なくありませんが、朝食を抜くことは逆に痩せにくい体になることを覚えておきましょう。