現役世代は年金不安、退職世代は老後不安。今や、どんな世代にとっても「お金」の悩みはつきません。そして、貯金だけでは何年経ってもお金が増えないため、いやおうなしに「投資」と向き合わなければいけなくなってきています。それなのに「投資」で大事なことは誰も教えてくれないのです。
今回、特定の金融機関に属さない独立系ファイナンシャルプランニング会社、(株)生活設計塾クルーにおいて、中立な立場で15年以上にわたって3000件以上の家計をみてきた売れっ子FPの深田晶恵さんが、『「投資で失敗したくない」と思ったら、まず読む本』を発売(12月2日予定)します。発売前ですが、その本の中から、投資を始めるときに必ず知っておきたいことをご紹介します。

金融機関に頼ってしまう人は要注意!
「投資で失敗する人」の共通項

 私はファイナンシャル・プランナー(FP)という立場から、15年以上にわたって3000件以上の家計をみてきました。特にこの数年で増えているのは、「投資」に関する相談です。若い世代は年金不安からの投資の基本について、定年世代はまとまったお金の運用の悩みといったことです。そのほか、企業からは「確定拠出年金制度」をやさしく解説してほしい、といった要望があります。

 投資には預金よりも大きく増やせる可能性がある代わりに、値下がりの危険が伴います。だからこそ、多くのみなさんは金融機関で相談したり、いろいろと情報を集めているのですが、行動した結果はイメージと大違い。増やすどころか減ってしまい、そして、もう投資はいやだ、素人には無理なんだなど、投資アレルギーになってしまう人が後をたちません。

 しかし、私がいろいろな方の相談を受けている中で見えてきたのは、投資で失敗する人にはいくつかの失敗パターンがある、ということでした。

 失敗しないためには、失敗の原因を知って、同じ過ちを避ければいいのです。

 私がこれまで伺ってきた話をもとに、主な失敗のパターンを述べてみましょう。

 まずは、その①「預貯金では利息がつかないからという理由で投資を始める人」です。

 ボーナスや退職金をもらった。または、定期預金や保険の満期金が手に入った、相続でお金を受け取ったなど、ある程度まとまったお金を手にすると、多くの人はしっかり増やしたいと思うようになります。

 しかし定期預金の金利は低いままで、有利に増やすことはできません。そこで「利息がつかないなんて、もったいないから」と、投資をはじめてみようかなと考えるのです。

 そうはいっても、何にどう投資したらいいのか分かりません。誰かに相談したい、投資に詳しい人に商品を選んでもらいと考えたとき、思い浮かぶのは銀行や郵便局。相手はプロだからいろいろ知っているし、きちんとした金融機関が勧めてくれるものなら安心、と思うのも無理はありませんね。

深田晶恵(ふかた あきえ)
ファイナンシャルプランナー(CFP)、(株)生活設計塾クルー取締役。1967年生まれ。外資系電器メーカー勤務を経て96年にFPに転身。現在は、特 定の金融機関に属さない独立系FP会社である生活設計塾クルーのメンバーとして、個人向けコンサルティングを行うほか、メディアや講演活動を通じて「買い 手寄り」のマネー情報を発信している。15年間で受けた相談は3000件以上。「すぐに実行できるアドバイスを心がける」のをモットーとしている。日本経 済新聞、日経WOMAN、日経ビジネスAssocie等でマネーコラムを連載中。
おもな著書に、『30代で知っておきたい「お金」の習慣』、
『住宅ローンはこうして借りなさい・改訂3版』、
『住宅ローンにだまされるな!住宅ローン見直し編』、
『災害時 絶対に知っておきたい「お金」と「保険」の知識(共著)』、
『生命保険はこうして選びなさい・新版(共著)」(いずれもダイヤモンド社)、『女子必読!幸せになるお金のバイブル』(日本経済新聞出版社)、『年金以前の「定年後のお金」の常識』(講談社)などがある。
所属先:(株)生活設計塾クルー http://www.fp-clue.com/
ブログ:「お金のおけいこ」http://www.akie-fukata.com/
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