「窓口の人に悪いから」という心理で
その場で契約してしまうケースも多い

 残念ながら、金融機関を頼って投資を始めるのは失敗につながる典型的なパターンです。

 銀行や郵便局の窓口で勧められるのは、「その時人気があるもの」。他の人も買っていて人気があるならいい商品に違いないし、銀行や郵便局の人が勧めるものに怪しい商品などないはず、とも思いますよね。

 窓口では、書類を書いたりしていると、あっという間に1時間くらいたってしまいます。そうすると「こんなに時間をかけて相談に乗ってくれたのに、何も買わないで帰るのは悪い」という心理から、その場で契約してしまう人が多いのです。

 何という残念な投資デビューの仕方でしょう。「人気のあるもの」は買ってはいけないものが多いですし、その場で契約するのもやってはいけないこと。

 適した商品は人それぞれ異なります。1時間程度、金融機関の窓口で相談しても、あなたにどんな商品が適していて、その商品にどんなリスクがあるのかを正確に教えてもらうことは不可能に近いことを覚えておきましょう。

投資を始める前に覚えておきたい!
まだある、残念な投資のパターンとは

 失敗するパターンその②は「まとまったお金は一度に投資先を決めてしまいたい人」です。

 これは退職金を手にした男性に多いパターンです。私が相談を受けた方やセミナーなどで出会った方の中にも、
   「退職金の運用は、一度に投資先を決めるべきものだと思っていた」
   「数万円なんて少額で投資するのも格好悪いから、1000万円単位で買った」などと話される方が少なくありません。

 しかし投資額が大きければ値下がりした場合の影響も大きく、リスクの高い買い方といえます。投資で失敗した人で、大きなダメージを受けたのは、まとまった金額で投資デビューをした人です。

 また雑誌やダイレクトメールなどで、高い利回りをうたった商品が紹介されることがあります。その③そこに表示される「高い金利や利回りに、心が惹かれる人」も、投資では失敗しがちなケースです。

 好景気を知らない若い世代は1%でも「すごい!」と思ってしまいますし、高金利を知っている世代は、「特別金利1%」とか「予定利回り3%」などといった数字を出されると「近頃こんな利回りはない」と魅力を感じます。

 でも残念ながらこの利回りにも落とし穴があります。詳しくは本書の1章で解説していますが、このような商品は思うような結果が得られないことが多いので注意が必要です。