あがり症というマイナスな記憶であなたの心が満たされているなら、その記憶をプラスな、いい記憶に書き換える必要がある。人が短期間に劇的に変わるための「架空の成功イメージで記憶を上書きする魔法」を紹介する。
マイナスな記憶はプラスな情報で上書きする
心の中がもし「辛さ」でいっぱいなら、「新しい情報」や「いい情報」を得て、それらで記憶を上書きしない限り、ずーっと「辛さ」が続く。
そんなときに入ってくる情報は前述した通り、構成要素の割合から「辛さ」を後押しするものが多くなる。
そして、その感情のままに従っていては、そこからの発信も、当然辛いものになる。辛そうな態度、言葉、行動などだ。
でも、この一見抜けられそうにない負のスパイラルの中でも、「発信」を意識的にプラスにすることで、記憶をプラスなものに上書きすることができる。
発信を変え、情報を変え、記憶を上書きする
私がトマトを好きになったのもこの「発信」を変えたからだ。ず~っと嫌いで避けていたのだが、19歳のとき、好きになるきっかけが訪れた。
「サリィはトマトが大好きだ」と、ある人に真逆の勘違いをされたからだ。
食事に行くたびに、その人は嬉しそうに「はい、どうぞ!」と私のお皿にトマトを分けてくれる。
「いや、トマト嫌いなんだよね~」と初めはやんわり言ったのだが、また、次に会ったときにも同じように、「はい、どうぞ! サリィはトマトが好きなんだよね!」と嬉しそうにトマトをくれるのだ。
その姿を見ていると、本当のことを言うのが悪いなと思えて、しぶしぶ食べるようになった。
そして相手の期待に応えて、「おいしい」と言ってみた。「おいしい」と言ってはみるものの、ぜんぜんそんなふうには感じられない。
それでも、相手の期待に応えて、笑顔で「おいしい」を何度か続けているうちに、いつしか本当にトマトが大好きになっていた。
これが「発信」を変え、耳から入ってくる「情報」を変え、「記憶」を上書きして苦手意識を克服する方法なのである。
とはいえ、場合よっては、徐々に新しい記憶で上書きしていくことが難しいこともあるかもしれない。
そういうときには、「架空の成功イメージで記憶を上書きする魔法」を使えばOKだ。その方法を次に紹介する。