バイデン米副大統領は8月に北京を訪問した際、大衆食堂「桃記炒肝店」でランチを食べた。彼が地元客と談笑している様子は、中国のメディアで大きく取り上げられ、「麺外交」と呼ばれた。
先日の北京出張時に、その桃記炒肝店に行ってみた。以前から人気があった家族経営のこの店は、バイデンの件が報じられてからよりいっそう客が増えた。土曜の午後2時に行ったが、大混雑で、テーブルの確保が大変だった。
米副大統領一行は、肝臓の煮物やジャージャー麺を食べたという。その組み合わせを、地元の人びとは「バイデンセット」と呼んでいる。それを食べてみた。確かにここは、旨くて安いB級グルメ店だ。ジャージャー麺は9元(110円)、豚饅頭は1個1元だ。
バイデンらは5人で78元支払ったらしい。ワシントンでの中華料理だったら、1人分にもならないかもしれない。非常に安いため、人民元は安過ぎるという言葉が彼から発せられたらしい。しかし、それは地元の人びとから批判を受けた。この店の客は、低所得者が中心だからである。中国共産党幹部がこのような店で食事をすることは、まずないだろう。