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世界トップ企業の大胆不敵なサプライチェーン

東南アジアで事業を成功させるには
大胆な投資スタンスの変更が必要だ

PwCコンサルティング
【第7回】 2017年11月29日
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組織再編なくして成長なし
――成長のための組織再編

 コスト構造を見直したはいいが、組織が変わらないままであると成長に向けた推進力は得られない。注力領域の再定義や、業務の再編に伴い、組織構造を変えることはもちろん、適切な人材配置も忘れてはならない。

 シンガポールは、東南アジアにおける地域統括会社が多く設置されている国であるが、欧米企業は地域統括会社に強い権限を持たせ、地域全体の戦略及び実行を推進させる傾向にある。一方で日系企業は東南アジア地域における情報集約拠点としての役割にとどまっているケースが多い。大きな理由として、地理的な要因が考えられる。アメリカ、ヨーローッパは、自国からの距離が遠いことから結果的に現地法人に強い権限が付与され運営が進んでいるが、日系企業では時差もないため「アジアは近い」というトップの思い込みにより、意思決定の拠点は日本に設置され、日本主導で意思決定がされることが多いのではないだろうか。

 欧米企業は本社の副社長クラスをシンガポールに配置し、マーケットに近い地域統括会社に強い権限を与えることで、素早い意思決定を実現させている。かたや日本企業は、本社の部長レベルがトップに立っているケースが多い。これでは、本社での発言権の重みが違う。どちらが現地の情報をいち早くキャッチし、流れに乗り遅れる前に次なる一手を打てるかは明確である。

 組織の再編と共に、役割に合わせた人材配置が重要なポイントとなる。

成功の秘訣は習慣にすること

 Fit for Growthを実践する企業は、常に自社の強みとする領域とコスト構造を見直している。一度きりの対応ではなく、毎年“ヒト”“モノ”“カネ”の配分を調整しているのである。第二フェーズに突入する東南アジアに対し、一度立ち止まり自社の戦略を見直した上で、Fit for Growthの取り組みをスタートさせてほしい。これらは、一見厄介な仕事のように思えるかもしれない。しかし、これに正面から取り組み、仕組みを正しく変えることが、新たな成長に向けた好循環の始まりになるのである。

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世界トップ企業の大胆不敵なサプライチェーン

どのような業界にいようとも、戦略を遂行することは難しくなっている。IoT、AI等技術の進歩は私 たちの価値観を変え、顧客の価値観もまた著しく進化している。競争相手は全く新しい事業モデルを構築し、挑戦してくる。これまでの常識が変わっているのだ。これはリーダーシップを担うすべての人に共通する課題ではなかろうか。 本連載では企業が戦略を実行するために必要なオペレーションの最新モデルを取り上げ、グローバル市場で生き残る企業の条件を探る。

「世界トップ企業の大胆不敵なサプライチェーン」

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