今回は、2017年11月13~17日までモンゴルのIT事情を見てきたので、その様子をご紹介したい。モンゴル行きは、筆者が経営している飲食店事業の会社が5店舗目、かつ初となる海外出店を行なうためだ。個人的には、ここ数年でモンゴルは急成長するのではないか? と思っており興味津々である。

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マイナス20度を超えるモンゴルに、IT事情を調べに行ってきた

5時間のフライトで到着したらマイナス25度の世界

 筆者が共同経営している会社では、都内4店舗で飲食店を経営しているが、数年前から海外出店を狙って動いていた。シンガポールやマカオ、ニューヨークと視察に行くが、どうも出遅れ感があって敬遠。タイには助成金まで取得して出店する寸前までいったが、軍事クーデターが起こり、話が流れてしまった。そして、海外進出にアンテナを張っていた弊社役員にモンゴルの話がヒットし、人の縁もあり、話が進んだ。昨年モンゴルへ視察に行ったところ、現時点では先進国ではないにせよ、ばっちりと将来性を感じたのだ。

 最初に、モンゴルのご紹介をしたい。最近、相撲関連のニュースで頻繁に耳にする「ウランバートル」が首都。東アジアの北にあり、下は中国、上はロシアに挟まれている。左はカザフスタンで、海なし国となる。面積は世界18位で、61位の日本の4倍以上広い。とはいえ、人口は311万人と少なく、ウランバートルにはその半分近くが住んでいる。もちろん、遊牧民も多く、郊外でゲルという住居に住んでいる。言語はモンゴル語で、文字はキリル文字。

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モンゴルの位置
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モンゴルで働くためのビザ

 人口が少ないので、市場規模とかスケールメリットとかの数字は大きくないのだが、出資を募るプレゼンをするわけではないし、単に夢と希望で突っ込むことにした。

 昨年8月に行った時(「第231回 モンゴルの大平原でポケモンを捕まえる技」参照)は、2泊の弾丸視察でネットはモバイルルーターをレンタルしたのだが、今回は現地に日本人スタッフ(というか共同経営者)が住むことになるので、いろいろと契約が必要。4泊の日程を組んだ。

 11月13日、成田空港から直行便でウランバートルへ向かう。冬は寒いと脅されていたので、防寒着を一通り揃える。今回、ネットなどはすべて現地で契約するつもりなので、ルーターのレンタルなどはせず、突撃する。

 海外旅行と言えば、食が楽しみ。しかし、10月上旬から「第263回 オジサンも痩せたい! IT・ガジェットを駆使して年内に10kgダイエットするワザ」の企画が動いているので、この4泊5日、絶対にリバウンドするわけにはいかない。そこで、機内食もごはんやパンは残し、醸造酒は避けてコーヒーを頼むことに。どこまで続くのか自分でも心配だ。ちなみに、フライトは4時間半~5時間くらい。

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モンゴルで魚は絶望的なので、ありがたくいただく

 共同経営者と二人だったのだが、どちらもウイスキー1本を1~2日で飲んでしまう。そこで、空港でMedley'sという格安バーボンを購入。タクシーでホテルへ向かう。

 海外は、日本のようにトイレがあちこちにないので、チャンスがあれば行っておく。そして早速の洗礼。こちら、なんと男性トイレも女性トイレの看板が両方とも青! 普通に入って行きそうになる。ちなみに、違うパターンでもマークやカラーが紛らわしいことが多いので、要注意。筆者は、ショッピングセンターで普通に女性トイレに突入してしまった。

 外に出るとマイナス25度くらいだったが、ロビーで防寒着の上下だけ上に着たら、まったく問題なし。もうちょっと震えるかと思ったので、拍子抜けだった。

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空港の免税店で激安ウイスキーを購入!
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モンゴルのトイレ、男女両方青のこともあるので要注意
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チンギスハーン空港はマイナス25度。ワークマン装備のおかげで寒くはない
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タクシーは当然のようにメーターを倒さず

 ホテルにチェックインしたら、早速近くの高級レストランに突撃し、乾杯。いきなりビールを注文し、醸造酒禁止令を破ってしまう。その後、肉系料理を頼み、ラム肉を堪能する。もちろん、付け合わせのポテトには触れず。

 モンゴルは肉が主食。鳥や豚もあるのだが、やはり羊、ヤギ、馬、牛、ラクダの五畜がメイン。味付けは濃いめだったが、とても美味しかった。

 ホテルに帰って酒盛りしながら、今後のプランを練る。朝方、iPhoneを見ると、外はマイナス28度。しかし、室内は温水パイプが通っているので、エアコンなしでも十分温かい。ただし、窓に触れると、すぐに痛くなるので注意が必要。

 ちなみに、モンゴルではホテルでも飲食店でも、あちこちにフリーWi-Fiがある。暗号化キーは店の人に聞けばいい。たとえば「12345678」や「ilovebeer」だったり、SSIDと同じだったりとシンプルなのでセキュリティーが心配になってしまうが。接続速度は平均すると、上下ともに30Mbps前後。そこまで早くはないが、通常利用では問題なし。

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ホテルに荷物を置いたら早速近くのレストランへ繰り出す。痩せている方が共同経営者の横山。「金曜日の聞きたい女たち」(フジテレビ)のレギュラーだったので、顔を見た人もいると思う
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やっぱり肉料理がうまい!
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ホテルでウイスキーを空ける
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朝方、外はマイナス28度

中古ショップでiPhone 6sとGalaxy S6をゲットする

 翌朝、まずは銀行へ。外国人が会社を起こす際の資本金は引き上げられており、最低金額は10万ドル。とはいえ、大きな店をやるつもりなので、18万ドルを送金済み。しかし、なぜか通帳もカードももらってなかったので、発行しに行ったのだ。もちろん、この手の交渉は通訳さんがいなければ不可能。同行してもらった。

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ウランバートルの中心部にホテルを取った
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銀行で手続き。とてものんびりと作業するのでいちいち時間がかかる

 その後はさっそく、現地で使う携帯電話とSIMをゲットしに行く。中古で構わないのでその手のショップがひしめき合うデパートへ案内してもらった。もちろん、日本の光景とは全然違う。ガラスケースにぶわーっと裸の端末が並んでいる。ガラケーやよくわからないAndroid端末もあるのだが、iPhoneやGalaxyの新しめの機種も多い。iPhone Xまで普通に並んでいる。

 購入したのは2台。iPhone 6sを78万トゥグルグ、Galaxy S6を32万トゥグルグで買った。どちらも、ドイツで使われていた端末だ。それぞれ、3万6000円、1万5000円というところか。現場でSIMを差し、通話できることを確認することが重要。紙幣が2万トゥグルグが最大なので、なかなか高い買い物に見える。実際、こちらの平均月給は4万円前後なので、スマホは高級品だ。

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中古ショップが並んでいるデパートに突入

 通訳さんは20代の女性だったが日本語が上手だったので、同行中に質問攻めした。モンゴルのスマホ割合を聞くと、iPhoneとAndroidユーザーは半々だという。すごく驚いたのだが、彼女はGalaxyだった。こちらは、後程追加で調査することに。

 スマホを買うと、ケースとフィルムも勧めてきた。こちらでは、スマホにはみんなガラスフィルムを貼るそうで、iPhone 6sに付けてもらった。1分くらいでその場で貼ってくれ。気泡も入っておらず慣れたもの。ケースとフィルムで1万5000トゥグルグ(700円)。Galaxy S6にはフィルムがすでに貼られており、ケースは不要と言うとサービスで変なケースをくれた。やはり、寒さから落とすことが多いので、ケースやフィルムは必需品とのこと。なお、マニュアルやケースはもちろんないが、充電ケーブルは新品をくれた。iPhoneのケーブルもAppleの新品のようで、どこから手に入れているのか、気になった。

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iPhoneにフィルムを貼ってもらう

 続いて、SIMを買いに行く。通信会社はユニテルとモビコムの2強で、どうせならということで通訳さんと同じユニテルにすることに。ユニテルのショップに行き、SIMを買おうとするが、何かもめている。外国人にはSIMを売れない、というのだ。下調べで、パスポートさえあれば買えるとあったのだが、NG。そこで、通訳さんが代わりに契約してくれることになったのだが、それでもパスポートが必要になる。もちろん、彼女はパスポートを携帯していなかったがが、なんと近くの端末から出力できるという。日本よりはるかに進んでいて驚いた。そして、ユニテルに戻り、2回線をゲットした。

 基本はプリペイドタイプで、残高がなくなりそうなら電話番号でチャージできる。わざわざショップまで出向かなくても、提携している店ならどこでも可能だ。ちなみに、後日聞いたところ、やはり外国人でもユニテルのプリペイド回線を購入することは可能。店頭のスタッフの暴走だったようだ。

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大型施設にはこのようなATMがたくさん並んでおり、個人情報書類を引き出せる端末もある
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ユニテル回線をゲット!
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iPhoneを日本語化する
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筆者用のGalaxyもセットアップ

 現地の人は、どんな連絡手段でコミュニケーションしているのか聞いてみると、仲が良ければ電話が多く、テキストではFacebookメッセンジャーがメインとのこと。ビジネスなどで、記録を残したい時には電子メールを使うそう。今回会った人は全員Facebookのユーザーだった。とはいえ、それほどネット中毒というわけでもないようで、日本のように全員がスマホをいじっている、というような光景は見られなかった。

 モンゴルは車社会で、走っているほとんどの車がトヨタ。中でもプリウスがぶっちぎりのシェアを獲得している。そして、非常に運転が荒い。教習所などで習う習慣がないので、みんな鬼のような走行。クラクションは鳴り響き、よくその間隔でぶつけないなというほどくっついて運転している。案の定、接触事故はよく起きているようだ。しかし、速度が出せないので重大な事故はあまり起きないそうだ。

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モンゴルの運転は荒い。ここでも交差点中央で接触事故を起こしていた

 その夜は、神戸大学に留学していた通訳さんと合流し、現地の流行店に連れて行ってもらった。モンゴル大学の学生しか行かないような格安バーだそう。タクシーで行こうかと思ったら、つかまらず20分くらいならと歩いた。筆者は、ワークマン装備でまったく寒くなかったのだが、マイナス25度を超える中歩き続けたので、実は後ろで共同経営者は死にそうになっていた。負けず嫌いだから歩いているときは何も言わなかったそう。温度が低すぎると寒いというか、痛いとか気持ち悪いとか別の感覚になるのだ。

 ついたのは、TSEという1ドルバー。何だろうと思ったら、全品2900トゥグルグ=約1ドル、というお店。汚い若者向けかと思ったら、おしゃれで広く綺麗で、個室まである。満席だったが、有料の個室だけ空いていた。チャージを聞くと、1時間1ドルとのこと。もちろんビールも1ドル。5杯同時に頼めば、6杯持ってきてくれるという。

 ここで、ちょっとモンゴルでのビジネス談議にヒートアップし、途中からウォッカに変えてよくわからないくらい飲んでしまい、さらにはしごして記憶を失う。モンゴルでは酔って外で寝て凍死してしまう、という事故があるそうで注意が必要だ。

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学生が集まる1ドルバー。全品2900トゥグルグという低価格で、満席だった

 モンゴル3日目、11月15日はマッチングサイトで知り合った日本人ガイドさんと、家電量販店や盗品闇市場を巡ったり、モンゴル科学技術大学に行って学生さんと交流。16日にはマンションの契約と破棄、電撃契約から速攻引っ越し、ネット開通。こちらの様子は、次回ご紹介する。


筆者紹介─柳谷智宣

柳谷さん顔写真

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。パソコンやIT関連の媒体で、特集や連載、単行本を多数手がける。PC歴は四半世紀を超え、デビューはX1C(シャープ)から。メインPCは自作、スマホはiPhone+Xperia、ノートはSurface Pro3とMacbook Air。著書に「銀座のバーがウイスキーを70円で売れるワケ」(日経BP社)、「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)など。筋金入りのバーホッパーで夜ごとバーをハシゴしている。好きが高じて、「原価BAR」を共同経営。現在、五反田・赤坂見附・銀座で営業中。