『アルフレッド・アドラー一瞬で自分が変わる100の言葉』がダイヤモンド社から発売されたことを記念して、20万部突破の第一弾『アルフレッド・アドラー人生に革命が起きる100の言葉』を特別公開します。アドラーの厳しくもあたたかい言葉に、あなたも勇気づけられてください。
自分の不完全さを認め、受け容れなさい。相手の不完全さを認め、許しなさい。
自分と異なる意見を許容し、自分の意見を相手に押しつけない。それが共同体感覚を高める具体的な方法である、と先にお伝えしました。それと同様に、相手と自分の不完全さを認めること。 それも共同体感覚を高めるために不可欠な具体策です。
私の友人のAさんは、Bさん夫婦の結婚を祝う食事会の席で、礼儀をわきまえずに騒いでいる友人たちに強い怒りを覚えたと言いました。本来であれば、夫婦を主役にして自分たちは聞き役にまわるべきである、とAさんは考えました。しかし、他の友人たちはそんなことに気がまわらず、大いに盛り上がっていたらしいのです。Aさんは、彼らに注意をしました。ところが、彼らは「ハイハイ」と受け流し、一向に改める様子はありません。Aさんは、非常識な彼らを軽蔑し睨みつけました。彼らを責めることでやめさせようとしたのです。
Aさんの配慮は素晴らしいと思います。しかし、その配慮を他の友人に強制することは共同体感覚に反すると言えるでしょう。配慮が足らずどんちゃん騒ぎをする友人たちは不完全な人間です。けれども、そんな彼らを睨みつけるAさんもまた不完全。お互い様です。であるならば、不完全な彼らも自分も許すべき。それなしに共同体感覚を高めることはできないでしょう。不完全でいいのです。だからこそ人間臭い。だからこそ愛らしい。 そんな度量の広さをいつも持ち合わせていたいものです。
オーストリア出身の精神科医、心理学者、社会理論家。フロイト、ユングと並んで現代のパーソナリティ理論や心理療法を確立した1人。個人心理学(アドラー心理学)を創始し、『7つの習慣』のコヴィー博士、カーネギーらに影響を与えた。「自己啓発」の源流である。
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