『アルフレッド・アドラー 一瞬で自分が変わる100の言葉』がダイヤモンド社から発売されたことを記念して、20万部突破の第一弾『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』を特別公開します。アドラーの厳しくもあたたかい言葉に、あなたも勇気づけられてください。

自分と違う意見を述べる人はあなたを批判したいのではない

意見が異なる人を「敵だ」と思う人は幸せになれない

 共同体感覚を高める、ということは、キリスト教でいうところの「隣人愛を持つ」ことに似ている、とアドラーは言いました。そして隣人愛を持つということは、「隣人が私を愛してくれるから、私も隣人を愛する」のではなく、「隣人が私を愛してくれなくても、私から隣人を愛する」つまりは、見返りを求めない愛を持つことに他なりません。
 しかも、見返りを求めないだけでなく、自分と違う意見、価値観を許容しなければなりません。「自分と同じ意見、価値観を持っている人だけを愛する」のでは、共同体感覚を高めることは不可能です。人の価値観は十人十色。意見は違って当然だからです。
 私たちは自分と違う意見を耳にすると、あたかも自分が非難されているかのように感じ、不快感を持ってしまいます。そして、自分と違う意見に対抗して、競争的な対応を取ってしまいがちです。しかし、それでは共同体感覚を高めることはできません。
 そうではなく、自分と違う意見を非難と受け止めず、許容するのです。違っていい。違う意見があるからこそ意味があるのだ、と思うのです。同様に、自分の意見を相手に押しつけてはいけません。相手が自分と違う意見を持つことを許容する。違いがあって当然と受け止めるのです。  このような考えを持つことができれば、共同体感覚は自然と高まっていくでしょう。その結果、自分の居場所を確保できるようになる。幸せに一歩近づくことができるようになるのです。

意見が異なる人を「敵だ」と思う人は幸せになれないアルフレッド・アドラー Alfred Adler(1870年-1937年)
オーストリア出身の精神科医、心理学者、社会理論家。フロイト、ユングと並んで現代のパーソナリティ理論や心理療法を確立した1人。個人心理学(アドラー心理学)を創始し、『7つの習慣』のコヴィー博士、カーネギーらに影響を与えた。「自己啓発」の源流である。

 

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