1万人調査で発覚! 営業の8割が目標予算を知らない!
営業の仕事とは、「目標予算を達成させること」です。それ以外にありません。したがって、年間予算を達成しなければ、「仕事をしたとは言えない」のです。
「そんなことは言われなくてもわかっている。だから毎日まじめに営業活動をしているんじゃないか」と思う方も多いでしょう。
しかし、コンサルタントとして多くの企業を支援してきた経験、そして1万人を超える営業マネジャーへのアンケート調査の結果からわかったことは、「営業の8割が自分の目標予算に焦点が当たっていない」という現実です。
目標予算を突然質問されたからといって、
「あの業績管理資料に書いてあったんじゃないですか?」
などと答える人が多いのですが、とんでもない話です。
「あなたの名前は何か」と聞かれて、
「そんなこと突然聞かれてもすぐに答えられませんよ。私の名刺に書いてあるんじゃないですか?」
こんなふざけた受け答えをする人はいませんよね。
「あなたのお名前は?」と訊かれて、「私は横山信弘と申します」。こう答えるのに時間はかかりません。突然聞かれても瞬時に返答できるはずです。
ですから、「あなたの目標予算はいくらですか?」と質問されたら、
「今期は1億2300万円です。そのために72台の機材を販売する予定です」
というように、すぐに答えられなければなりません。さらに言えば、その差額と対策まで出てくると理想的です。
「今期は1億2300万円です。そのために72台の機材を販売する予定です。しかしながら、この分ですと、期末までに66台しか売れない可能性があり、6台分まだアテがありません。そこで現在は○○業界に対して販社と連携し、月100件の訪問活動を繰り返しています」
1秒以内に自分の目標が言えないのであれば、どんな言い訳も通じません
どんなに理屈をこねまわしてみても「君には達成させようという気持ちがないし、そもそも自分の仕事が何であるかわかっていない」と言われても仕方がないのです。
決算期を迎え、来期の予算計画を立て始める3~4月になると、営業マネジャーから、正しい予算計画の立案方法についての相談を受けます。
「横山さん、私は社長の考えた予算計画が納得いきません」
「なぜですか?」
「うちの業界はいま、ものすごく大変な状況なのに、予算計画が去年より上がっているなんて納得できません。達成できない予算計画なんてつくっても意味がない。どうしたら、正しい予算計画ができるのか教えてくれませんか」
しかし、私はこう答えます。
「社長がつくった予算計画なら、それでいいではありませんか」
期待した答えを得られなかったマネジャーは語気を強めます。
「そんなこと言ったってムリなものはムリなんだ。あなたは、うちの業界のことを知らないからそんなことを言うんだ」
すると私は、営業マネジャーにこう話します。
「暑くなったら上着を脱ぎますよね。寒くなったらコートを着て、マフラーをするでしょう。気温の変化に対して、自分の体温を変えて適応することはできません。企業も同じです。外部環境が変化したからといって予算計画を変えていると、財務が不健全になってしまうんです」
予算計画は体温と同じで、企業が健全に存続するために変えてはならないものです。