年間100回を超えるセミナー、講演を通して、5000人の営業パーソンに変革をもたらした横山信弘氏が、12/2に初の書籍となる『絶対達成する部下の育て方』を刊行した。日経ビジネスオンラインにて連載している「脱会議」は、そのすべてで10万PVを超えたという。
横山氏が、1万人のマネジャーにアンケートを実施したところ、「部下の8割は目標予算を知らない!」という衝撃の事実を突き止めた。
連載第3回では、「最低でも目標達成」する新マネジメント手法、「予材管理」を紹介。予材管理とはいったい何なのか? 明らかになる。

「ガムシャラ」「死に物狂いで」の精神は有効か?

  横山:「このままの調子ですと、85%ぐらいの達成率で終わるかもしれませんね」
  営業:「そうですね。死に物狂いでやってはいるんですが、なかなか……」
  横山:「A社の案件が決まるか決まらないかで、今後の展開が大きく左右されます」
  営業:「そのとおりです。この案件さえ取れれば何とか目標は達成するのですが」
  横山:「毎年そんな危なっかしい営業活動をしてるんですか?」
  営業:「危なっかしいって……。他にどんな方法があるというんですか? 私だって、ガムシャラにやってるつもりですよ」

  営業の仕事は目標予算を達成させることです。目標を達成しないと1年間仕事をしたとは言えない、というのに、こんなリスキーな営業活動をしていていいのでしょうか?

 ここで、タイトルにある「絶対達成」とはどういうことなのか、についてもう少し詳しく説明したいと思います。

 よく営業会議の中で、

 「ガムシャラにいきます!」
 「もう死に物狂いでやるしかありません!」

 などと宣言する営業マンがいます。

  営業に限らず、仕事をしていくうえで気合と根性はとても重要な要素です。面倒なことはやりたくないと言い出したらキリがないのですから、濃淡の差はあっても、気合と根性は欠かすことのできないものです。

  しかし、「目標達成」となると別です。それだけではなかなか結果は出ません。もし気合と根性だけでやっていて目標予算が達成しないと、たいていの場合は言い訳のオンパレードです。

 「期待していた案件が来期にずれ込んでしまって、申し訳ありません」
 「厳しいですね。円高とか震災の影響で、なかなか……」

 それぞれの言い分はわからないでもありませんが、「ガムシャラ」や「死に物狂い」ってそんなに軽い感覚で表現されるものなのかな、と思います。