「インパクト」×「回数」で習慣化

 営業マネジャーの仕事は、組織の目標予算を達成させることです。課長なら課の予算、部長なら部の予算を達成させるのが仕事です。
  にもかかわらず、マネジャー自らそれを不確実にしていることがとても多いのです。

 たとえば、「予算計画が高すぎる」「逆立ちしてもできない計画をつくるなんて、会社がおかしい」「市場が変化しているのだから仕方ない」と言う営業マネジャーは、目標予算に焦点が当たっていない典型的なパターンです。

 人は確実なこと、当たり前のことをするときにストレスは一切感じません。

 たとえば、物流部門の人が「15時までにこの商品を納品しなさい」と言われてもストレスはかかりません。15時までにお客様のところに到着するためには何時に出発すればいいか、期限から逆算して行動するだけです。

 店舗の販売員が「仕入れた商品を夕方4時までに陳列して」と言われてもストレスは感じません。今日は気持ちが乗らないから明日でいいかとは思いません。
  4時までに陳列すれば、期待どおりに売れるかどうかはわからないけれども、その人にとっては指示されたとおりに、商品を陳列する仕事が当たり前だからです。

 当たり前のこと、確実なことをするとき、人はモチベーションや感情に左右されることなく行動します。たとえば、出社時間を守ること、お客様との打合せに遅れないことは当たり前であり、そこにストレスを感じる人はいないはずです。
  ですが、多くのマネジャーは目標達成が当たり前になっていません。

 心のどこかで「目標予算を達成できなくても仕方ない」「達成できるわけがない」と思っています。なぜか?

 目標達成が当たり前になっていないからです。

 怖いのは、こういった思考が定着し、「できなくて当たり前」という風土が企業内に蔓延することです。

 いままでのやり方では目標が達成しないということはわかります。

 誰もが数字を上積みしようと試行錯誤を繰り返していることも知っています。しかし、「絶対に達成させる」つもりがない限り、目標予算を100%達成させる正しいアイデアは出てきません。

 習慣化するためには「インパクト×回数」です。「どうすれば目標が達成するのか」と、一年を通して考えた「回数」が重要なのです。