5000円のブローチ、40万円の花器が
外国人にバンバン売れた

盛況だったミラノサローネの会場での風景

 締め切りぎりぎりまでかかったが、なんとか納得できる12作品ができあがった。不安を抱えながら、2017年4月に開催されたミラノサローネに出展した。

「評価してもらえるのか心配でしたが、初日から作品を見て『素晴らしい!』と笑顔で喜んでくれて、僕らのものづくりが世界に通用することがわかりました」と藤澤は語る。

 南川も「展示品を売るつもりはなかったのですが、ブーケット・ブローチが40ユーロ(約5000円)にもかかわらず、飛ぶように売れ始めたので、売るのを止めたほどです」と、うれしそうに語る。

 ブーケット・ブローチを100個持っていったが、初日に完売しそうな勢いだったので、あえて売り止め、最終日にサービス価格で16ユーロ(約2000円)まで下げて売り切った。

40万円もするのに売れた「ミラージュ」という花器

 また、「ミラージュ」という15枚の皿を重ね合わせると壺のようなシルエットになる花器は40万円という高価にもかかわらず、オーストラリア人が自家用として購入した。

 加工技術にも注目が集まり、インドのキッチンメーカーやオランダ王立デザイン事務所から金属加工の引き合いが入り、現在、交渉中だ。日本の企画販売会社からもコラボレーションしたいという要望が寄せられている。

「ドイツ人の技術者がブースにやってきて『どうやってつくったのか』と聞くので、説明すると『クレージー!』と驚いていました。この作品のために開発したような新たな加工法も導入しており、その技術力は日本よりも海外の人の方が気付いて、賞賛してくれます」と南川は手応えを感じている。

 同年8月には横浜でミラノサローネの凱旋展示会と記者会見を行ったが、そこでもミラージュが1点、さらに100万円もするツリーも1点売れた。現在もYMVのホームページ上のストアで作品を購入できる。

 今回の取り組みの成果として、杉田は「社員のモチベーションが上がった」と喜ぶ。次回のサローネには実際に加工を担当する職員を参加させる予定で、さらに真剣度が増しているという。