株式5%を拠出して
“ファミリー”の一員になる

 実は、ファミリーがユニークなのは、家族の一員になるため起業家に対し株式5%の拠出を求めていることだ。つまり、株式が“入会金”代わりとなるわけだ。メンバーが増えるほど、ファミリーは巨大な“持ち株会社”のような組織になる。現在、メンバーの企業価値を合計すると10億ドル(約1110億円)以上の価値が生まれているといい、決してあなどれない。

 また、先の職業訓練校を卒業した人が、全てスタートアップに進むわけではない。大企業もほしがる人材を育てているため、大企業への紹介やあっせんを行って一定の手数料を得ている。

 もう一つが、スタートアップのグッズ製作を請け負うことだ。成長したスタートアップはよくオリジナルグッズを作るが、それを担うことでキャッシュを稼いでいる。

 つまり、ファミリーは株式の拠出を通じて家族の一員となり、その輪を広げていくビジネスモデルだといえる。特に起業初心者にとっては、「家」でもあり「きょうだい」もいる、そんな場になるからこそ、安心して仕事に打ち込めるのである。

 パリで進化するコミュニティは、ファミリーだけではない。ハードウェアを専門にし、「コミュニティ型」をうたうVCがある。それが2015年に発足したHardware Club(ハードウェアクラブ)だ。