「常に最高の状態でいたい」。実現するのは難しいが、高い成果をめざす多くの人にとって共通する願いではないだろうか。なんと、それを実現するための科学的方法がついに解明された!
元マッキンゼーのエリートコンサルタントと、オリンピック出場の選手を何人も育ててきたトップコーチがその方法を解明した。彼らは、脳科学から、心理学、スポーツ科学まで、最新科学のリサーチを徹底網羅し、一流に共通するいい成果を出すためのパターンを探り当てた。
その方法を実践し、時間の使い方、休み方、習慣を変えれば、誰でも「自分を最高の状態」にすることに成功し、驚異の成果を連発できるのだ。
本連載では、その成果をまとめた話題の新刊『PEAK PERFORMANCE 最強の成長術』から、一部抜粋して「自分を最高の状態にする方法」を紹介する。
人間が成長するために、最も大切なこととは?
記録を縮めたいランナーであれ、新しい技を習得したいバスケットボール選手であれ、巨大な波にチャレンジしたいビッグウェーブサーファーであれ、大いなる飛躍の瞬間は得てして、歯を食いしばるような苦しみと我慢の末にやってくる。
ニック・ラムは、世界でトップクラスのビックウェーブサーファーだ。建物の4階ぐらいの高さの波に乗る。神技のように自由自在に波を乗りこなすが、そのパフォーマンスは入念なトレーニングと、毎日の鍛錬からくる不屈の精神によるものだ。
この本の著者の一人、ブラッドは以前、『アウトサイド』誌の取材でラムにインタビューしたことがある。
そのときに印象的だったのは、ラムが「あえて一番うねりの強い波に乗ろうと待ち構えている」と話したことだ。ラムの強さの秘訣は、自分を追い込む姿勢にあったのだ。「トレーニング中は、思わず尻込みするような波を探しては、それに乗るようにしています」とラムは語った。
「ぬるま湯的な状況から外へ踏み出さない限り、人間は成長できません。前進して成長したければ、苦しい道を進むことですね。自己満足とは真逆の道ですよ」