経験が浅い人の退職は
卒業ではなく「中退」である
最近、退職を「卒業しました」と表現する人が増えてきました。特に、新卒入社3~4年くらいの人が使っているようで気になっています。
「〇〇株式会社に3年間勤務し、今年末をもって卒業することになりました。来年からは……」といった転職の挨拶メールをいただいたり、転職希望者との面談でそうした表現をする人を見かけるのです。
しかし正しい表現は「退職」ですし、意味合いとしても「それは卒業ではなく中退でしょう」というケースがほとんどです。
もともと退職を卒業と表現するのを広めたのは、私の出身企業であるリクルートだと思います。確かに、リクルートは退職を卒業と位置付ける考え方をしている会社でした。勤めている間に何らかのノウハウを身に付けて、一定以上のレベルに達したら文字通り卒業して新たなフィールドに移ってチャレンジする、そういう文化がありました。
だからリクルートの出身者が退職を卒業と言ってもそれほど違和感はなかったのですが、そうした文化を持っていない企業で働いていて、かつ3~4年程度の在籍期間で卒業と言われると、「あなたはまだ必要な単位数を取得できていませんよね?」と言いたくなります。