日本消費者連盟(日消連、東京都新宿区)が17年7月26日と8月1日に合計8時間、「香害110番」を開設して相談を受けつけたところ、専用電話は鳴りっぱなし。相談はファクスやメールでも寄せられ、合計213件になった。

 すべて他人が使用した商品による被害で、最も多かったのは、近隣の洗濯物の柔軟剤による被害だった。

「マンションの隣の人が干す洗濯物の柔軟剤のニオイがきつく、苦しんでいる。管理人を通してやめてほしいと頼んだが無視されている」といった内容だ。

 ほかにも「他人の柔軟剤のニオイで呼吸困難や吐き気を感じるようになり、耳鼻科を受診したが、『治療できない。精神科で診てもらいなさい』と言われた」

「MCSの診断を受けてから生き地獄のような日々。家族も私もボロボロになり、自殺まで考えるようになりました」という悲鳴も聞かれた。

通勤電車に乗れず退職
協力はしてくれるが職場で孤立

 職場が原因で発症し、かつ退職まで余儀なくされるなど、深刻な例もあった。

「同僚の衣類の強い香りや香水が苦しく、上司に改善を訴えたが、取り合ってもらえない。結局、退職しなければならなかった」

「通勤の電車に乗ることができなくなり、退職に追い込まれた」

 相談を寄せた人たちが訴えた内容は、次の3点にまとめることができる。

 まず、頭痛をはじめとする健康被害が続き、普通の生活が困難になっていること。次に、周囲からは「ニオイに神経質な特殊な人間だ」と見られ、苦しさを理解されず、孤立しがちであること。

 そして三つ目が、決して個人の問題ではなく、誰でも被害を受ける可能性のある一種の「公害問題」であることを広く知らせてほしいということだ。