それから東芝から買収した芝浦電産。家電用モーターで、いまは日本電産テクノモータに名前が変わっていますが、エアコンの省エネ化でモーターが大量に使われるようになった。中国では省エネエアコンに補助金が出るので、ものすごい勢いで注文が来ています。

 いわば目先の1~2年ではなく、5年先、10年先、あるいは20年先をみたとき世の中がどう変わるだろうかと、それに必要な会社を次々に買ってきたわけなんです。

 今後は自然エネルギーも広がってくるので、太陽光や風力の蓄電・貯蔵が大事になる。そうした分野にも進出しています。

――特に、自動車の分野では、M&Aはどのように進めてきたのでしょうか。

 M&Aは足りない技術を得る手段のほか、クルマの分野では、M&Aがなければ開拓に時間がかかるお客さんを獲得する手段にもなりました。

 ホンダさんから買収したエレシスは、モーターには制御装置が必ず付くから買ったのですが、そこで、自動運転、自動停止の技術もすべて手に入れました。自動運転ならハンドルはすべてモーターが回すし、ブレーキもモーターが掛けます。

 あとは、EVになれば、同時にセンサー技術が発達して、クルマはぶつからなくなるでしょう。従来のクルマはぶつかることを前提にしているので、分厚い鉄板をプレスしたものを溶接して作っていますが、EVになれば薄い鉄板で済むので、それを一発のプレスでピシャンとすれば、クルマの型ができてしまう。そういうプレスメーカーも買収しましたね。