iDeCOは節税メリットがたくさんある魅力的な制度ですが、漫然と積み立てるだけではお金は増えません。上手く活用するワザを身につけ、効率的にお金を増やしていきましょう。

iDeCOの節税分は、年末調整でまとめて貯める!

 iDeCOで積み立てをすると、所得税と住民税が安くなります。節税分は、所得税については年末調整(多くの場合12月の給与支払時)に上乗せされ戻ってきます。
 一方、住民税は戻ってくるわけではなく、翌年5月から毎月給与天引きされる住民税が安くなる仕組みです。この節税の分は、うっかりしていると、何となく浪費してしまいがち。せっかく手取りが増えたのですから、その分も将来のために貯めていきたいものです。

 この節税分を確実に貯めるには、どうしたらよいのでしょうか?たとえば年収500万円の人(共働きで子どもは小学生)が月2万3000円の掛金を払うと、節税額の合計は年5万5500円です。

 このうち、年末調整で戻る所得税は2万7900円、住民税はiDeCOをやらなかった場合に比べると月々2300円安くなって給与天引きとなります。

 所得税は年末調整で戻ってくる分を貯めるといいのですが、住民税はまとまって戻ってくるわけでなく、毎月住民税が少しだけ減る仕組みなので貯めにくいのです。
 iDeCOの節税メリットを最大限活用するためには「年末調整のときに所得税だけではなく住民税の節税分も含めて、その分を貯める」プランを提案します。
下記の「節税一覧表」を参考に年末の貯蓄額を設定してください。

保育園に通う子どもがいるならiDeCOで保育料が下がる

 保育園に通う子どもがいる人は、iDeCOで積立をすると保育料が安くなることはぜひ知っておきたいものです。

 一般的に公立の保育園の保育料は、住民税の額で決まります。iDeCOで積立をすると、翌年の住民税が安くなるため、連動して保育料も安くなるというダブルのメリットがあります。このことは意外に知られていません。

 保育料は住んでいる自治体によって異なります。たとえば、3歳未満の子どもがいる共働き夫婦のケース(夫の年収500万円、妻の年収300万円、世田谷区在住)では、年7万8000円も保育料が安くなります。

 現在は中学生以下の子どもは扶養控除の対象外となっていますから、共働き夫婦は所得税も住民税も負担が重くなっています。iDeCOで将来に向けてお金を貯めつつ、保育料を安くすることを検討するといいでしょう。