iDeCOは「手数料の安い」金融機関を選ぼう

 iDeCOが銀行の積立預金と大きく違うのは、手数料がかかることです。そして、手数料は窓口となる金融機関によって異なります。

 おトク度を高めるために安い手数料のところを選びましょう。

 手数料には「加入時に払う」ものと、「毎月払う」ものがあります。「加入時に払う手数料」は、大半の金融機関では、最初に支払う2777円(国民年金基金連合会に支払う)だけで済むためそれほど気にする必要はありません。

 注意したいのは「毎月払う手数料」です。まず、国民年金基金連合会に月103円、お金の管理をする事務委託先金融機関に月64円かかります。この2つ、合計で167円は、どこの窓口金融機関を選んでも共通で必ずかかる手数料です。

 この必ずかかる手数料167円の他に、窓口となる「運営管理機関の手数料」がかかるのですが、それが各機関で異なります。
 この手数料はゼロ円のところもあれば、高いと月500円程度に設定しているところもあり、大きな差があります。

 これらの手数料は、別々に支払うわけではなく、掛金から差し引かれます。つまり、手数料が安いと、iDeCOで買い付けできる金融商品の金額が多くなり、手数料が高いと、買い付けできる金額が少なくなってしまうということです。

 ですから手数料が安いところを選んだ方がおトクです。例えば、掛金は同じ月2万3000円だとしても、口座管理手数料が「167円」なら、金融商品の買い付けに回る金額は2万2833円ですが、「500円」だと、2万2500円となってしまいます。

深田晶恵(ふかた・あきえ)ファイナンシャルプランナー(CFP)、(株)生活設計塾クルー取締役。1967年生まれ。外資系電器メーカー勤務を経て96年にFPに転身。現在は、特定の金融機関に属さない独立系FP会社である生活設計塾クルーのメンバーとして、個人向けコンサルティングを行うほか、メディアや講演活動を通じてマネー情報を発信している。20年間で受けた相談は4000件以上、「すぐに実行できるアドバイスを心がける」のをモットーとしている。ダイヤモンドオンライン、日経WOMAN等でマネーコラムを連載中。主な著書に『住宅ローンはこうして借りなさい 改訂6版』『平均寿命83歳! 貯金は足りる? 定年までにやるべき「お金」のこと』(ダイヤモンド社刊)『共働き夫婦のための「お金の教科書」』(講談社刊)ほか多数。

iDeCOの口座管理料が安い金融機関はココだ!

 iDeCOの口座管理手数料は、一番安いところで月167円です(国民年金基金連合会103円+事務委託先金融機関64円)。窓口となる運営管理機関の手数料が0円だと、月に167円で済みます。安い金融機関をご紹介しましょう。

 2017年12月現在、特に条件を設けずに運営管理機関手数料を0円としているのは、イオン銀行、SBI証券、大和証券、マネックス証券、楽天証券です。

 積立をして条件を満たせば、0円となるのは、みずほ銀行、損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの2つ。最新の手数料情報は、NPO法人確定拠出年金教育協会が運営する『iDeCOナビ』のサイトで確認するといいでしょう。便利な手数料比較のページがあります。