「偉そうにしたくないからと言っていますが、本当は、責任を取る覚悟がないだけでしょう。あなたが、自らの指揮命令に責任を認識し、しっかりと『指示』をすれば、部下はちゃんと動くようになりますよ。責任者として、これからは、『お願い』や『リクエスト』というような言葉は部下に使わないようにしてください」

 A課長には、「偉そうにしたくない、『いい上司』でありたいということを言い訳にして、実は、自分の責任から逃げようとしていたことに気づきました。これからは、上司としてしっかりと『指示』をしていきます」と理解していただきました。

「偉そうにしない」ことは
責任放棄につながる理由

『できる課長は「これ」をやらない』(すばる舎刊)安藤広大著、232ページ、1620円(税込み)

 ここで注意しておきたいことですが、上司になったからといって、“態度”まで偉そうにする必要は全くありません。むしろ、声を荒げ、感情的に威圧するような態度は、上司として決してやるべきことではありません。

「偉そうにしない」ことは上司として「決めない」という態度につながりがちになります。本来、上司が決めなければいけないことまで、部下に選択権を与えるということは、「偉そうにしない」ということではなく、ただの責任放棄です。

 “上司の責任”から逃げずに、ぜひとも「偉そうに」してください。

 部下は上司から明確な指示が出れば、しっかりと自らの実行の責任を認識して、迷わず動くようになります。そして、逆に部下から「お願い」や「リクエスト」が出てくるようになります。

 それは、部下が自ら与えられた責任を果たすために、現場で発生した問題や課題を解決する上での、上司への「お願い」や「リクエスト」で、正しい上司と部下の関係において発生するものです。

 上司と部下の関係において、「お願い」や「リクエスト」は上司から部下に発生するものではなく、部下から上司に発生するものであるということを、心していただければと思います。