中国の「訪日ビザ問題」、世界一周クルーズ乗船で分かった課題

ピースボートの世界一周クルーズ
乗船直後に中国系乗客から不満

 2016年12月9日〜20日まで、私は世界一周の旅に出る客船「オーシャン・ドリーム号」に乗った。ピースボートという市民団体が企画したもので、国際交流から始まったものだ。

 私が乗船したのは、横浜を出航して神戸と上海に寄港した後、シンガポールにたどり着くまでの旅程だった。私が降りた後、客船はインド洋に進み、南極を目指して世界一周の旅を本格的に展開させていく。その意味では、そのクルーズ旅行のハイライトを私は体験しなかった。

 ただ、派手やかな商業ショーやカジノ、豪華な食事といった色彩は全くないと言っても過言ではない質素なクルーズツアーだ。

 客船には1000人程度の乗客が乗っていた。うち、中華圏から乗船した乗客が50人あまり。乗船した中国系の乗客、特に豪華客船を体験したことのある中国本土の乗客は、当初、かなり不満を漏らしていた。船はぼろい、食事が贅沢でないといった不満を聞かされた。