「手取りを増やす」ためには、税金の仕組みを知ることが早道。新刊『サラリーマンのための「手取り」が増えるワザ65』から、抜粋してそのエッセンスをご紹介します!

収入が高くなればなるほど
税負担が重くなる!

 日本の税金は、収入が高くなるほど、税金の割合が増えます。「所得税」という税金は、収入が高くなるほど、5%、10%、20%、23%、33%、40%、そして最高で45%です。

それをふまえて、ここで問題です。

A「夫の年収800万円、妻は専業主婦」
B「共働きで、夫の年収は500万円、妻は300万円」
世帯の額面年収は、どちらも同じ800万円です。

では「手取り」は、どちらが多いと思いますか。

答えは「B」の共働き。

Bの共働きの方が、年26万円も手取りが多くなります。

 前述のとおり、所得税は年収(所得)が多くなるほど、税率が高くなる仕組みです。共働き夫婦の年収500万円、300万円、それぞれにかかる所得税率よりも、ひとりで800万円稼ぐ人にかかる税率のほうが高く、税金が多く引かれるのです(住民税は一律10%なので、どちらの夫婦も同じです)。

額面年収が同じでも、手取りは共働き夫婦のほうが、年26万円、月2万円以上も多いのです。ちょっと意外ですね。

深田晶恵(ふかた・あきえ)ファイナンシャルプランナー(CFP)、(株)生活設計塾クルー取締役。1967年生まれ。外資系電器メーカー勤務を経て96年にFPに転身。現在は、特定の金融機関に属さない独立系FP会社である生活設計塾クルーのメンバーとして、個人向けコンサルティングを行うほか、メディアや講演活動を通じてマネー情報を発信している。20年間で受けた相談は4000件以上、「すぐに実行できるアドバイスを心がける」のをモットーとしている。ダイヤモンドオンライン、日経WOMAN等でマネーコラムを連載中。主な著書に『住宅ローンはこうして借りなさい 改訂6版』『平均寿命83歳!貯金は足りる?定年までにやるべき「お金」のこと』(ダイヤモンド社刊)『共働き夫婦のための「お金の教科書」』(講談社刊)ほか多数。