「手取り減少時代」だからこそ、給料から「引かれるお金」の仕組みを知って「手取りを増やすノウハウ」を身に付けましょう。新刊『サラリーマンのための「手取り」が増えるワザ65』から、まずは、これだけは知っておきたい給料の手取りが決まる仕組みをご紹介します!
「手取り」とは、実際にもらえるお金のこと
そもそも、手取りってなんでしょう。
例えば額面の給料が、25万円だとします。会社が支払うのは25万円だとしても、そこから税金などが引かれて、実際もらえるお金はそれより少ないのは知っていますね?
この実際にもらえるお金を「手取り」と言います。
給料から強制的に引かれるのは、まず税金。所得税と住民税です。それから厚生年金や健康保険料などの社会保険料です。引かれる金額は、扶養家族がいるか、税金が安くなる生命保険に加入しているか、などといったことで変わってきます。
ざっくり言うと、給料の総額から「税金と社会保険料」を引いた金額が、実際に使える「手取り」です。
実は、給料から引かれる金額はこの15年、毎年少しずつ増えていて、同じ給与でも数年前と比べて、手取りが減ってきているのが現状です。
家族構成によって、「手取り」は違う
同じ金額の給料でも、家族構成によって、「手取り」は異なります。「引かれるお金」の税金(所得税と住民税)は、養っている人がいるか、いないかで、税金の額が異なるからです。
「養うこと」は、「扶養する」といい、「扶養家族」が多いほど税金は少なくなり、手取りは増える仕組みです。
手取りが多くなる家族構成は、扶養家族が多い人。妻が専業主婦、子どもが高校生や大学生、親を扶養している人などです。
反対に手取りが少なくなるのは、税金を計算するうえでの扶養家族がいない人。
「扶養家族ゼロ」の家族構成は、シングルで子どもがいない人、配偶者がフルタイムの共働きで子どもがいない人、子どもがいても中学生以下の場合です。
中学生以下の子どもは、本来は「扶養家族」のはずですが、児童手当が支給されているため、現在は「税金面での扶養家族」ではありません。
「子どもが産まれたら、税金が安くなって、給料の手取りが増えた」というのは、今は昔の話。残念ながら現在は税金は安くならないのです。
ファイナンシャルプランナー(CFP)、(株)生活設計塾クルー取締役。1967年生まれ。外資系電器メーカー勤務を経て96年にFPに転身。現在は、特定の金融機関に属さない独立系FP会社である生活設計塾クルーのメンバーとして、個人向けコンサルティングを行うほか、メディアや講演活動を通じてマネー情報を発信している。20年間で受けた相談は4000件以上、「すぐに実行できるアドバイスを心がける」のをモットーとしている。ダイヤモンドオンライン、日経WOMAN等でマネーコラムを連載中。
主な著書に『住宅ローンはこうして借りなさい 改訂6版』
『平均寿命83歳!貯金は足りる?定年までにやるべき「お金」のこと』(ダイヤモンド社刊)『共働き夫婦のための「お金の教科書」』(講談社刊)ほか多数。