不人気の理由は、高額な学費の割に就職実績が見劣りすること。学費は最低でも約2000万円(4年間)掛かる上、就職は中堅LCC(格安航空会社)がやっとなのだ。

「大手航空会社のパイロットは7割強を航空大学校出身者と、難関大学卒で大手航空会社内で養成された人が占める。私立大卒の採用は少数」と業界関係者は明かす。

問われる私立卒の“質”

 ここにきて、変化の兆しがある。国や大手航空会社などが、学費や就職面で私立大学への後押しを始めたのだ。

 その秘策の一つが18年度から始まる500万円を無利子で貸与する奨学金「未来のパイロット」制度。もう一つが、大手航空会社によるカリキュラム、講師の支援だ。

 果たして、これらの秘策で入試と就職実績が劇的に好転するのだろうか。

 前出の関係者によれば「大手航空会社では“私立大の教育の質”への不信が根強く、残念ながら採用が増える見込みはない」と冷ややかだ。

 その理由は、航空大学校出身者と比べ、現場対応の能力が不足していることが分かってきたことと、資格は持っていても能力不足から入社後にパイロットに昇進できない事例が相次いでいること。

 いずれにせよ、もう時間はない。世界的なパイロット不足は危機的な状況なのだ。その上、複数の私立大学で新たにコースをつくるうわさもある。

 今後いかにして学生、講師の質を上げ、業界の不評を払拭する優秀な人材を輩出できるか。それが私立大学だけでなく、航空業界の課題といえる。

(「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 西田浩史)