LCCは180席程度の小型機材を使うため、パイロットの人数が必要になり、パイロット不足の影響を受けやすい Photo by Toshiaki Usami

「機長・副操縦士 募集中!!」。8月下旬、新聞の求人欄にパイロットを募集する広告が躍った。広告主は、LCCのジェットスター・ジャパン。「現状は何とか足りているが、将来の規模拡大に備えて、早めに唾を付けておきたい。一人でも多く採用したい」(ジェットスター幹部)と本音をのぞかせる。

 実は、ジェットスター・ジャパンは、8月にグループのジェットスター・オーストラリアから副操縦士を3人出向させて補充したばかり。さらに記者会見の場では、ジェリー・ターナー最高経営責任者(CEO)が、自身の息子がオーストラリアで副操縦士をしていることを引き合いに出し、「日本でやらないか説得している」と披露。同時に、「10~20代のお子さんがいる方は、ぜひ、職業選択の一つにパイロットを考えてほしい。給料もいいし、向こう30年間の需要もある」と訴えた。

 パイロット不足に悩むのはどこも同じだ。2014年には、LCCのピーチ・アビエーションやバニラ・エアが、パイロットが足りず大量の欠航に追い込まれた。現在もバニラや春秋航空日本ではホームページでパイロットを募集中だ。しかも「採用担当者が出張していって説明するのは当たり前」(LCC幹部)という“三顧の礼”ぶりである。