SUVの基本性能は
パジェロ級

 プラットホームはアウトランダー系から流用する。エンジンは新開発の1.5リットル直4直噴ターボ(163ps)を積み、ランエボなどで培ってきた4WDテクノロジー、S-AWCをCVTと組み合わせる。コンセプトカーで話題となったPHV(プラグインハイブリッド)は、アウトランダーの実績を考えれば、今後追加されるに違いない。ディーゼル搭載後のお楽しみ、だろう。

 エクリプスクロスで注目したい点は、異例に高い175m/mの最低地上高である。全高が1685m/mと、クーペスタイルのわりに高いのは、この最低地上高が関係している。三菱の狙いは明白だ。エクリプスクロスは、流行のスタイルを取り入れただけの“都会派SUV”ではないのである。

 日本仕様のプロトタイプに触れた。乗り込んですぐに気に入った点は、モダンなインテリアだ。クーペらしくスポーティな雰囲気で、質感が高い。アップル・カープレイをタッチパッド操作できるコントローラーなど、目新しさがある。

 最初に登坂能力を助手席で体感。最大45度の傾斜をエクリプスクロスはものともせず上っていく。30度の坂の途中でいったん停止し、45度の傾斜に向けての再スタートも楽々だ。それは見事なパフォーマンスだった。4WDシステムの優秀性に加え、軽量ボディと完成度の高い足回りなど、総合力の成果である。開発者によると「SUVの基本性能はパジェロ級」だという。さすが三菱の新作である。

 新型エクリプスクロスの試乗は、特設会場のテストコースで行った。まず、加速は好印象だった。実は、ボクはCVTが嫌いだ。CVTと聞いただけで、加速フィールに“諦め印”を押してしまう。実際の加速とエンジン回転上昇の違和感(ラバーバンド感)が大嫌いなのだが、エクリプスクロスのCVTは、それが随分と抑えられている。むやみな回転上昇を巧みに抑えながら、メリハリがきいた加速を見せた。自然で気持ちのいい加速フィールである。現時点で、最も好ましいCVTのひとつだろう。

 新開発の直噴ターボエンジンは力強い。とても1.5リットルとは思えない。三菱が説明するように、2.4リットル・NA級のパフォーマンスで、1800~4500rpmの幅広い領域で25.5kg・mの最大トルクを発生するので扱いやすい。

 ハンドリングは素晴らしい。スラロームと、濡れた路面での旋回を試みたが、エクリプスクロスはスポーツカーのように駆け抜けた。比較車として試乗したアウトランダーやRVRとはまったく違っていた。4WDの制御が細やかで、完成度が高い。ドライバーの意思どおりに、ノーズがつねに進みたい方向へと向くから、運転していて楽しい。左右に勢いよく振り回しても不安はなく、かなりの速度でスラロームをクリアした。

 短時間の試乗だったが、エクリプスクロスは、パジェロとランエボのDNAを新しいかたちで引き継いでいるモデルだとわかった。公道で試すのが楽しみだ。

(CAR and DRIVER編集部 報告/西川 淳 写真/小久保昭彦)