2.人に頼みごとをする

 すべてにおいて自分の手を施したい人にとって、人に何かを頼むというのは、とても勇気のいることのようです。しかしそれは、自分の枠を広げる大きなチャンス。自分だけで抱えていては、大きな仕事もできません。

 私は以前、分厚いマニュアル本の翻訳の仕事を受注したとき、そのことを痛感しました。結果、数人に手伝ってもらって作業をしたのですが、自分でやるのよりも数倍も早い時間で、しかもいいものが仕上がってきたのを見て、自分の考えが大きく変わりました。

3.小さな冒険を1日ひとつする

 私たちは、つい惰性に流されてしまいがちです。そうなると、私たちの脳は考えることをやめてしまいます。常にやったことのないような環境(習い事でも何でも)に身を置いてみましょう。新しい体験やできないという事実が、体中の細胞を目覚めさせてくれます。

 ちなみに、いま私は子育ての真っ最中ですが、1歳半の息子は、大人の私の思考の枠を打ち破るに十分な柔軟性で満ち溢れています。味噌汁の中のサツマイモを手でつかんで食べるなんて、誰が想像だにするでしょうか!!

4.「それはちょうどいい!」とつぶやく

『逆転の発想を可能にする「ものの見方」』(第5回)にも書きましたが、どんなピンチが起きても、「それはちょうどいい!」とつぶやくことで、問題=解決しなくてはならないこと、という式を「問題=何かを変えるきっかけ」というふうに上書きすることができます。出来事の意味を決めるのは自分なのですから、それをきっかけに新しいストーリーをつくればいいのです。

 例えば「困った! 明日の朝のパンがないわ」「それはちょうどいい! コーンフレークを試してみるいいチャンスだ」→こう言えれば、夫婦ケンカもなくなります。

5.着るものを人に選んでもらう

 服のセレクションは、その人の枠がはっきりわかります。自分で服を選ぶと、好きな色ばかりを選んでしまいがちです。「好き」と「似合う」では大きく異なることがあります。

 ちなみに私は、ハッキリとした色が好きなので、自分で服を買いにいくと赤や黒ばかりを買ってしまいます。しかし、これがまったく似合わず、センスのなさにがっかり。最近は、妻が一緒にいるとき以外は服を買わないことに決めています。妻は、絶対に自分では手に取らないようなものを選んできます。そして不思議なことに、それを着ていると周りの評判がすこぶるいい(笑)。

 自分がいいと思うことより、人から見て、いいと思うことのほうが正しいこともあるんですね。