連載の最後に

「ものの見方」を切り口に、さまざまなテーマで書かせていただきましたが、中でも『たちまち自信が湧いてくる「ものの見方」』(第3回)『逆転の発想を可能にする「ものの見方」』(第5回)、そして『「ものの見方」オンライン白熱授業』(第6回)あたりが、関心が高かったように思います。

 ものの見方を変えて、問題を解決するというクイズ形式の切り口には手ごたえを感じましたので、今後さらにコンテンツを充実させ、何かの機会に皆様にチャレンジしていただこうかと考えております。

 最後に、どうして私が、「ものの見方」にこれほどまでにこだわっているか、その理由をお話ししましょう。それは、私の母がきっかけでした。

 母は、現在70代も後半になり、元気は元気なのですが、もともと精神的に弱く、また夫婦間のストレスもあり、50代を過ぎたころから被害妄想が出るようになりました。外に出て、人に会うとダメなのです。

 いつも自分が誰かに追われていると思い込んで交番に相談にいったり、電車に乗れば目の前の人が自分のあとを付けていると思ったり、モノがなくなれば人を疑う……、そんなことばかり繰り返していました。困ったことに、母は「自分が感じたことが、すべて正しい」と思い込んでいるのです。どれだけ理路整然と論理的に話しても、まったくわかってくれません。

 母は、ありもしない敵と戦っていました。これは、私にとって大きなショックでした。しかし同時にこのころから、私は「ものの見方」について興味を覚えるようになりました。母は、まさに自分の「ものの見方」の中に生きているのです。実際には、母を追う怪しい人も、モノを盗るような人もいないのですが、それらがいると信じ込み、不安を感じているのです。このように「ものの見方」は人生を左右します。

 幸い、いまはなんとか日常生活に支障のない程度に収まっていますが、おそらく一生「そんなことはなかったんだよ」とわかってもらうことはできないでしょう。いまは、できるだけ「ふーん、そんなこともあるんだね。でも、大丈夫だから。心配しなくていいよ」と受け止めるようにしています。悲しいかな、これが現実です。

「人は、自分が信じた世界に生きている」。
皆さんは、ぜひ自分には必ずできると信じた世界に生きてください。母は反面教師として、私に教えてくれているのだと思っています。

 あっという間に、8回の連載が終わりを迎えました。お付き合いいただいた皆さん、ツイートしてくださった皆さん、「いいね!」をクリックしてくださった皆さん、本当にありがとうございました。

 


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この31のドリルは、ただのクイズではありません。これこそ、ふだんのあなたの見方、思考パターンの縮図なのです。楽しみながらドリルをこなしてい くことで、自分の「思い込み」に気づき、それを修正していくことができます。思い込みのメガネをはずせばココロは軽くなり、悩まされ続けてきた問題もたち まち解決します。

 

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