6.成功体験に触れる

「自分には絶対にできない」そう思っている人は、自分の可能性にロックをかけているだけです。それを外すには、すでにそれをやり遂げた人を探し、話を直接聞いてみることが一番です。

 昔、400cc以上の大型オートバイが限定解除と言われ、警察でしか免許が取れなかった時代、その合格率は3%でした。つまり、100人受けても3人しか受からない計算です。私はどうしても大型に乗りたかったのですが、この数字を見ると絶望的。おまけに私は背が低く、足もようやく届く程度。まったく無謀なこの挑戦でしたが、あるとき、近所のガソリンスタンドで給油した際に、なにげなく会話をした兄ちゃんが、なんと1回で受かったというのです。普通は10回以上かかるというのに……。

 そこで私はその兄ちゃんに頼み、ファミレスでメシをおごって話を聞くことにしました。そして彼の話を聞いているうち、だんだんと自分にもできそうな気がしてきたのです。同じ人間なんだから、できないことはないはずだと。そうして私は、見事7回目のチャレンジで合格することができました。

 会社の社長になりたい、本を出したい、有名人とお友達になりたい、家を建てたい……このように、一見、いまの自分にはムリだと思っても、それを絶対に諦めてはいけません。実際にそれを実現した人を探し、その人にへばりついて話を聞いてみましょう。話を聞いているうちに、私たちはいい意味で錯覚してくるのです。「この人にできたんだから、自分にもできないはずはない」と。そして、この効果は絶大です。

 私はいつも、この方法を使って自分に自信をつけてきました。独立して仕事をしたいと思ったときは、ある社長の下に弟子入りし、約3年間、目の前でその姿を焼きつけました。本を出したいと思ったときは、すでに本を出している知人に会い、その出版ストーリーを何度も何度も聞き出しました。そういった意味でも、本物に会う、ということは大事な刺激なのです。