また、バランスファンドでは、現在、利回りゼロの債券運用部分にも手数料を払うため、商品自体として無駄を抱えている。「初心者にはバランスファンドがいい」という意見を聞くことがあるが、初心者だからといって非効率的なものがいいわけではないので、そうした意見は嘘である。

 厳密には、運用手数料が最低になるよう、両口座に内外の株式を振り分けて投資するといいのだが、現在、インデックスファンドの手数料が下がってきたので、「両方とも内外株式を半々で」と考えておくほうが分かりやすい。趣味でやるわけではない運用は、分かりやすくて無駄がないことが好ましい。

金融機関が儲かるだけの「地雷」を避けよ!

「iDeCo」と「つみたてNISA」いずれにあっても、国内株式と外国株式のインデックスファンドで手数料(信託報酬)が最安な物を選ぼう。なお、「外国株式」は、先進国の株式を中心としたものであれば、全世界の株式(含む日本)でも、日本を除く全世界株式でも大差はない。

 信託報酬は、内外株式どちらも年間0.2%程度のものを選ぶことができるはずだ。0.3%は払い過ぎである(100万円の運用に3000円以上払うのは払い過ぎだ、というくらいの感覚を持ってほしい)。

「つみたてNISA」は、金融庁が対象商品を絞り込んでくれたおかげで、手数料が安いインデックスファンドを選びやすい。アクティブファンドは手数料が高すぎるし、バランスファンドの現在ある商品は無駄が多いので、避けるべきだ。いずれ、債券を含まない内外株式のミックスファンドが商品化されるかもしれないが、自分で国内株式と外国株式のインデックスファンドに投資している状態が分かりやすくて、多分手数料的にも無駄がないはずだ。

 特に「iDeCo」にあっては、アクティブファンドやバランスファンド(「ターゲットイヤー型」などと称するものもこの類だ)など、手数料が割高で選ばない方がいい商品が多数並んでいるので注意したい。これらは、「顧客が間違って選んでくれたら儲けることができる」という目的で金融機関がラインナップしているもので、筆者は「地雷」と呼んでいる。

 例えば、「iDeCo」の商品が30本ラインナップされている場合、25本くらいは「地雷」なので気をつけてほしい。なお、企業で確定拠出年金を導入している場合にも、ラインナップに「地雷」が含まれているケースが多々あるので注意しよう。

 本当は、企業型確定拠出年金でも「iDeCo」でも「地雷」がないことが望ましいし、企業型では年金の事務局が優秀な場合に、「地雷」がほとんどないケースがある。この点では、「つみたてNISA」の商品選定が優れているので、「iDeCo」にあっても、一般の課税口座の運用にあっても、同様の商品を選ぶといい。

 金融庁は、「つみたてNISA」の商品選定に当たって「長期投資に向いた商品を選んだ」と述べているが、実は、長期投資に不向きな商品は、短期投資にあってもダメな商品なのだ。つまり、世間にあふれている運用商品の大半は、検討しなくてもいい代物なのだということになる。

(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)