◎ロスを減らし10年間で売上高5倍の相模屋食料

 日本気象協会との連携で気象データを活用し、豆腐のロスを年間30%も削減している、相模屋食料株式会社。日本最大の豆腐製造工場である第三工場を群馬県に擁している。豆腐は、日販品(にっぱいひん)と呼ばれ、スーパーでもロスになりやすい商品だが、10年で売上高5倍、毎年、売上高を伸ばしてきている(https://sagamiya-kk.co.jp/company/trend.html)。

◎ロスを減らし働き方改革も達成した「佰食屋」

 飲食業や不動産事業を営む株式会社minittsは、京都市内に「一日百食限定」の店を3店舗構えている。牛ステーキ丼、すき焼き、牛寿司の3店舗。売り切れ御免。午後3時頃に閉店し、従業員が賄いのご飯を食べ、翌日の仕込みをして終業。ひとり親家庭の親や、家族の介護をしている人、障害のある人も働くことができている。代表の中村朱美さん自身、娘さんと、脳に障害のある息子さんの2人のお子さんを抱えながら経営者として働き続けている。

◎捨てないパン屋「ブーランジェリー・ドリアン」

 広島市内のパン屋「ブーランジェリー・ドリアン」は、かつては8人を雇用し、数十種類のパンを作り、毎日、大量のパンを焼き、たくさん捨てていた。ある時モンゴル人の友人から「パン捨てるのはおかしい」「安売りすれば?誰かにあげれば?」と言われた。

「いやできない」「できる」の言い合いになったが、友人の方が正しいと感じた。2013年、オーストリアのパン屋で研修したら、朝8時に行き、昼には仕事が終わった。労働時間4時間。でも日本のどのパンより美味しい。自分は18時間も寝ずに働き、できるパンはこれより不味い。

 帰国後、パンを4種類に絞った。夫婦で働き、種類・製法・販売方法・営業時間は楽な方法で。でも材料はベストのものを使った。結果的に、売り上げは変わらず、休みは増え、パンは売れ残らなくなった。2015年の夏からパンを1個も捨てていないという(http://derien.jp/blog/posts/3521http://derien.jp/blog/posts/3527)。

ロスを減らしても
経済はシュリンクしない

 次に、「食品ロスを減らそうとすると経済がシュリンクしてしまう」という指摘について、事例を見てみよう。