「あ、いいかも」と思わずクリック…Amazon商品を思わず買ってしまう“スゴイ仕掛け”写真はイメージです Photo:PIXTA

毎週のように利用している人も少なくないアマゾン公式サイト。あまりに自然すぎて無意識にクリックしてしまうが、そこにはユーザーのストレスや迷いを消し、思わず買いたくなる状態へ導くための“買わせる仕掛け”が組み込まれている。行動経済学を利用した、アマゾンの巧みな戦略を明かす。※本稿は、行動経済学専門家の相良奈美香『ポジティブアフェクトで幸せの仕組み化』(主婦の友社)の一部を抜粋・編集したものです。

アマゾンのサイトに隠された
3つの「アフェクト」活用術

「行動経済学」の世界では人間の意思決定を左右する重要な要素として「アフェクト(淡い感情)」に注目しています。実社会で使われている実例として、アマゾンのウェブサイトを見ていただくのがもっとも早いと思います。

(1)トップ画面には「おすすめ商品」の画像が並べられている

 →パッと見た瞬間「これ、いいな」という気持ちにさせられたことはありませんか?これは選択肢が画像で並べられているのがポイントで、直感的に「欲しい」というアフェクトが喚起されます。しかも、ユーザーの閲覧・購入履歴のデータを基に表示しているので、「そうそう、ちょうどこんなものが欲しかった」となる可能性が高いのです。そんなポジティブなアフェクトによって、アマゾンはトップ画面でユーザーの心をガッチリつかんでいるのです。

(2)「よし、買おう」と思ったら、ワンクリックで商品購入完了

 →住所やカード番号を入力するときに発生する「めんどうだ」というネガティブアフェクト。これを回避するためにワンクリック購入が用意されています。また、届くのが早いのもポイント。多くのものが翌日には届き、当日着のものまであります。迅速な配達によって、商品といっしょに「もう届いた!」というポジティブアフェクトも、受け取っているのです。