エッグタイマー

 ランキングの中に食品が多いのも興味深い。昭和の時代には、薬局や雑貨店で食べ物を買う発想はなかった。それが平成には、日用品を中心に取り扱う100円ショップでも食品が並ぶ。高級食材のイメージのカニ缶、美容や健康分野のココナッツオイル……。チョコレート菓子の「ブラックサンダー」は、大好物と公言する体操の内村航平効果か。「一目で『義理』とわかるチョコとしてもバレンタインデー時期を盛り上げている商品です」(同)

 最近は、「キャンドゥパトロール」という言葉をSNSなどで見かけるが、

「よいもの、新しいものを探しに行く場所として当店を利用していただいた結果と受け止めています」(同)

「全日本ズボラ主婦連盟」代表理事の浅倉ユキさんにキャンドゥのヒット商品を見てもらうと、

「『ドリンクジャー』は私も愛用しています。取っ手付きで棚からも取り出しやすいし、オシャレ」

 浅倉さんは「インテリアジェル」を食器に貼ることもある。たとえばクリスマスなどのイベントに合わせてシールを皿やコップに貼れば、センスのある食器に早変わりだ。

 料理研究家でもある浅倉さんにキッチンまわりの平成ヒット商品を聞くと、

「フードプロセッサーの機能向上です。みじん切りしかできなかったプロセッサーに千切り、スライス、おろし機能が付いた。野菜の千切りやおろしなどの下ごしらえが楽になりました」

 大根おろし器でイライラしながらゴリゴリする姿は、まさに昭和の風景。今はあっという間に野菜は希望の形にカットできる。

「それによって野菜の食べる量も増やせるようになりました。プロセッサーだと一瞬で千切りにしてくれますから、ニンジンのきんぴらもあっという間です」

 もう一つがシリコーンスパチュラ(ヘラ)だ。

「これはもう大発明ですよ」

 昭和の時代はゴムベラだ。これは火力で溶けてしまうのが難点だった。

「これ一つあれば、炒めた後にすくって、盛り付けるまで全部できる」

 サイズや形も豊富だ。

 記者はつい先日もチャーハンを作っているとき、フライパンにそえた木ベラが焦げてしまってダメになったばかり。

「木ベラ? ゴムベラ? 捨てちゃってください(笑)」

 掃除も調理も、器具を替えるだけで、家事がうんと楽になる。平成の生活用品は、とにかく機能性に優れた実用性の高いものばかり。技術革新もあるのだろうが、主婦のアイデアが存分に生かされているからだろう。浅倉さんはさらりと言った。

「私はどこで手を抜けるかといつも考えています」

(週刊朝日・大崎百紀)

週刊朝日 2018年1月26日号より抜粋、AERA dot.より転載