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IBMはクラウド企業として生まれ変わった
――日本法人社長が就任1年で宣言

大河原克行
【第168回】 2018年2月14日
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 キーナン社長は、IBMで32年間のキャリアを持ち、これまでに、北米や南米市場のビジネスを統括してきた経験がある。そして、日本には、2008年から1年間に勤務した経験も持つ。

 そうした世界各国を担当した長年の経験から、キーナン社長は、日本市場における課題を指摘する。1つは、ビジネストランスフォーメーションに継続的に取り組む姿勢への課題だ。

 「日本では、多くの企業がビジネスモデルの再構築に取り組んでいるが、一定のところまで到達すると、一度取り組みを終了させることが多い。だが、いまの時代は、その考え方は通用しない。常に変革に取り組んでいくことが必要である。そのためには、クラウド、モバイル、アナリティクス、AIといった新たな技術を、絶え間なく取り入れていく姿勢を持たなくてはならない。これをサポートするように、日本IBMも、お客様を支援する努力を、絶え間なく続けていくことになる」とする。

 日本IBMでは、継続的なビジネストランスフォーメーションを支援するために、新たなメソドロジーやアジャイル型の開発手法を採用。さらには、ミニマムバイアブルプロダクト(実用最小限製品)の活用や、デザインシンキングの導入にも取り組んでいるという。

 一方で、日本では、人口減少や高齢化に伴い、労働力が不足し、これが喫緊の課題となっている点も指摘する。

 「日本における労働力不足の課題は、企業の業績を上げるためにやるものではなく、企業としての存在が問われるほど、危機感を持ったものだ」と指摘し、「ここでは、あらゆるビジネスにWatsonを組み込むことで、ビジネスプロセスに対して、自動化の概念を取り込み、作業を支援。人が付加価値の高い仕事へとシフトすることで、労働力不足を解消することになる」と語る。そして、「この取り組みは、日本がリーダーシップを取れると考えている」とし、日本での成果を、Watsonによる労働力不足解決のリファレンスモデルにしたい考えだ。

 そして、キーナン社長の長年の実績を活用できる観点として、次のように語る。

 「日本IBMは、グローバルのチームと連携し、グローバルで通用しているサービスを、日本のお客様に提供することができる。これはIBMのユニークな能力であり、ここに、私のグローバルでの経験が生きるだろう」。

 コグニティブソリューションとクラウドプラットフォームの会社として、ようやく独り立ちしたIBM。日本IBMもコグニティブとクラウドへの取り組みへさらにアクセルを踏むことができる体制となった。

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