高速バスでの雪中行軍スタート

 2月の大雪のある日、長距離バスに乗りました。電車が止まったので仕方なく、でしたが、25年ぶりで少し楽しみでもありました。いえ、ウソです。車酔いするのでバスは嫌いですし、長時間となればなおさらです。

 金沢から名古屋まで、所要時間は通常なら4時間。もちろん大雪の日にそれですむ訳もなく、遅れは覚悟していました。それは私だけではなく、乗客みながそうだったでしょう。

 車内は満席です。とにかく安く移動したいという留学生、学生たち数名を除けば、ほぼすべてがビジネス客。おそらくは電車からの乗り換え組です。

 何組かはチームで移動中らしく、話し声があちこちから聞こえて来ます。大声を出す人はいないけれど、非常時ゆえ、席での携帯電話使用にも寛容な雰囲気です。同じ船ならぬ、同じバスに乗った仲間意識、でしょうか。

 さて、これから「準極限状態におけるパッセンジャー心理学研究」の始まりです。乗客みな、そんな状態になるとは、そしてこんな観察者がいるとは思っていないわけですが。