山崎製パンの子会社であるヤマザキビスケット(旧ヤマザキナビスコ)が、リッツやオレオなどの製造販売のライセンス契約を解消してから1年余り。ヤマザキは、リッツやオレオに“そっくり”の商品を昨年12月に投入し、市場での巻き返しを図っている。
ライセンス契約を解消で
自ら育てたリッツブランドと闘うことに
「最初の一口でわかるんです。新鮮な軽さ、香ばしさ」。「ルヴァン」のCMでお馴染み、女優の沢口靖子のこのセリフ。確かに、一口食べてみないと違いは分からないかもしれない。ヤマザキビスケットが新たに発売した「ルヴァンプライムスナック」は、それほど「リッツ」によく似ている(写真)。
昨年12月にヤマザキが投入した新商品のルヴァンプライムスナック(通称赤ルヴァン)と「ノアール」。その形状はリッツとオレオにそっくりだ。投入の背景には、モンデリーズとの販売制限に関する取り決めがあった。
リッツを巡る流れについて少々おさらいしよう。
元々ヤマザキは、モンデリーズからのライセンスを受けて、長らくリッツの製造販売を手掛けていた。ところが16年の8月、直接日本での販売を行おうとしたモンデリーズは、ヤマザキとのライセンス契約を解消。リッツやオレオといった従来の商品は、モンデリーズがインドネシアなどで製造し、国内で輸入販売することとなった。ヤマザキは主力商品を失うとともに、自ら育て上げたリッツブランドとの闘いを余儀なくされた。