◆図1:名目GDPと政府長期債務残高の推移

(出所)名目GDPは内閣府「国民経済計算」、長期債務残高は財務省「我が国の1970年以降の長期債務残高の推移」より作成。 拡大画像表示

 つまり、財政赤字を出し、借金の返済は次世代に負担を先送りして未来の需要を先食いしながら、何とか「現状維持」をしてきたのが、実態だ。その結果、今や日銀は出口のない金融緩和に突っ込んで、経済を持たせるのが精一杯の状態に陥っているのである。

 企業は企業防衛を優先し、法人税減税や繰延欠損金を使って負債を返し、潰れないよう動いた。

 国際会計基準の導入とともに、M&A(企業買収)が行われるようになってから、こうした傾向は一層加速した。

 それまで家計が貯蓄主体となって、その資金が金融機関を通じて、企業の設備投資資金として提供されるパターンが崩れた。図2が示すように、賃金低下と高齢化に伴って家計の貯蓄は低下し、企業(非金融法人部門)が新たに貯蓄主体となって、内部留保をため込むようになってきた。

◆図2:家計と企業(非金融法人)の資産、預金、現金の動向(フロー)